書評

『『ドライブ・マイ・カー』論』(慶應義塾大学出版会)

  • 2023/11/05
『ドライブ・マイ・カー』論 / 佐藤 元状/冨塚 亮平・編
『ドライブ・マイ・カー』論
  • 著者:佐藤 元状/冨塚 亮平・編
  • 編集:佐藤 元状, 冨塚 亮平
  • 出版社:慶應義塾大学出版会
  • 装丁:単行本(256ページ)
  • 発売日:2023-04-06
  • ISBN-10:4766428811
  • ISBN-13:978-4766428810
内容紹介:
『ドライブ・マイ・カー』はなぜ世界的な評価を得ることができたのか。アメリカ、日本、香港、台湾、韓国の研究者が論考を寄せた国際シンポジウムDrive My Car : A Symposium on Hamaguchi’s C… もっと読む
『ドライブ・マイ・カー』はなぜ世界的な評価を得ることができたのか。アメリカ、日本、香港、台湾、韓国の研究者が論考を寄せた国際シンポジウムDrive My Car : A Symposium on Hamaguchi’s Cross-Media Vehicleの内容に加え、西崎智子氏(広島フィルム・コミッション)、文化庁参事官(芸術文化担当)、そして濱口竜介監督への特別インタビューを追加収録。

【目次】
はじめに(佐藤元状)
ドライブ・マイ・カー』のせいで気が狂いそうだ(D・A・ミラー)
『ドライブ・マイ・カー』を斜めから読む(斉藤綾子)
インタビュー① 『ドライブ・マイ・カー』と広島(西﨑智子氏)
バザンへの回帰──『ドライブ・マイ・カー』における「ワーニャ伯父さん」(ロバート・チェン)
越境する赤いサーブ──濱口竜介の『ドライブ・マイ・カー』論(ファン・ギュンミン)
『ドライブ・マイ・カー』、あるいは悲しみと過ぎ去った世界について(メアリー・ウォン)
インタビュー② 『ドライブ・マイ・カー』と映画振興事業(文化庁参事官[芸術文化担当])
他者の声を聴け──『ドライブ・マイ・カー』における他者性の構築と受容(藤城孝輔)
世界の循環と生の反復──映画『ドライブ・マイ・カー』における水の主題系と音を伴う回転のモチーフ(伊藤弘了)
アダプテーションの終わりに向かって──濱口竜介の『寝ても覚めても』と『ドライブ・マイ・カー』における翻訳の始まり(佐藤元状)
見つめることと触れること──『ドライブ・マイ・カー』における抱擁(冨塚亮平)
インタビュー③論考への応答(濱口竜介監督)
おわりに(冨塚亮平)
村上春樹の短篇を原作として濱口竜介が監督した映画「ドライブ・マイ・カー」の論考集である。

D・A・ミラーは運転しながらある小説の朗読テープを聴いたところ、「言語が割れたガラスの破片のように私に切り込んできた」という。そこから、断片、多孔性、分散、運搬などのキーワードでこの映画の本質を鮮烈に炙りだす。本書全体に、「移動」「動かす」「ヴィエクル(乗り物・伝達手段)」という概念への分析がある。斉藤綾子は、この「映画テクストを動かしている(ドライブ)のは誰か、その『語り』の主体は誰か」と問い、「どのように男性言説と女性言説が拮抗しているか」を考察する。また編者でもある佐藤元状は、翻案の原作からの自由・不自由という関頭を越え、主人公の家福を「通訳兼翻訳者」とみなし鮮やかに読み解き、村上の小説の日本語テキストから映画テキストへの文字通りの移動を、ベンヤミンの定義した透明な翻訳を引いて解説する。

アジア各国・地域と米国の研究者がじつに多彩な角度から論じている。これら論考に対する濱口からの「応答」としてロングインタビューが収録されている点も貴重である。
『ドライブ・マイ・カー』論 / 佐藤 元状/冨塚 亮平・編
『ドライブ・マイ・カー』論
  • 著者:佐藤 元状/冨塚 亮平・編
  • 編集:佐藤 元状, 冨塚 亮平
  • 出版社:慶應義塾大学出版会
  • 装丁:単行本(256ページ)
  • 発売日:2023-04-06
  • ISBN-10:4766428811
  • ISBN-13:978-4766428810
内容紹介:
『ドライブ・マイ・カー』はなぜ世界的な評価を得ることができたのか。アメリカ、日本、香港、台湾、韓国の研究者が論考を寄せた国際シンポジウムDrive My Car : A Symposium on Hamaguchi’s C… もっと読む
『ドライブ・マイ・カー』はなぜ世界的な評価を得ることができたのか。アメリカ、日本、香港、台湾、韓国の研究者が論考を寄せた国際シンポジウムDrive My Car : A Symposium on Hamaguchi’s Cross-Media Vehicleの内容に加え、西崎智子氏(広島フィルム・コミッション)、文化庁参事官(芸術文化担当)、そして濱口竜介監督への特別インタビューを追加収録。

【目次】
はじめに(佐藤元状)
ドライブ・マイ・カー』のせいで気が狂いそうだ(D・A・ミラー)
『ドライブ・マイ・カー』を斜めから読む(斉藤綾子)
インタビュー① 『ドライブ・マイ・カー』と広島(西﨑智子氏)
バザンへの回帰──『ドライブ・マイ・カー』における「ワーニャ伯父さん」(ロバート・チェン)
越境する赤いサーブ──濱口竜介の『ドライブ・マイ・カー』論(ファン・ギュンミン)
『ドライブ・マイ・カー』、あるいは悲しみと過ぎ去った世界について(メアリー・ウォン)
インタビュー② 『ドライブ・マイ・カー』と映画振興事業(文化庁参事官[芸術文化担当])
他者の声を聴け──『ドライブ・マイ・カー』における他者性の構築と受容(藤城孝輔)
世界の循環と生の反復──映画『ドライブ・マイ・カー』における水の主題系と音を伴う回転のモチーフ(伊藤弘了)
アダプテーションの終わりに向かって──濱口竜介の『寝ても覚めても』と『ドライブ・マイ・カー』における翻訳の始まり(佐藤元状)
見つめることと触れること──『ドライブ・マイ・カー』における抱擁(冨塚亮平)
インタビュー③論考への応答(濱口竜介監督)
おわりに(冨塚亮平)

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初出メディア

毎日新聞

毎日新聞 2023年6月17日

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