『ウォーターランド』(新潮社)
豊崎 由美
ユーゴスラビアの作家ダニロ・キシュに、『死者の百科事典』(東京創元社)という素晴らしい短篇がある。無名の人々の人生の全てを記載した百科事典…
書評
「週刊新潮」「中日新聞」「DIME」などで書評を連載。著書は『そんなに読んで、どうするの?』『どれだけ読めば、気がすむの?』(以上アスペクト)、『文学賞メッタ斬り』『百年の誤読』(以上、共著、ちくま文庫)、『勝てる読書』(河出書房新書)、『読まずに小説書けますか』(共著、メディアファクトリー)、『石原慎太郎を読んでみた』(共著、原書房)など多数。近著に『「騎士団長殺し」メッタ斬り!』(河出書房新社)がある。
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独裁者ビロウの精神世界を具現化させた〈理想形態市(ウェルビルトシティ)〉を首都とする東の帝国。科学と魔法双方に長じた天才ビロウは〈クリスタ…
たまげた。九月に発売された文芸誌「文學界」「新潮」「群像」の十月号が軒並み好調な売れ行きを示したんだそうな。朝日新聞十月六日夕刊に掲載され…
大人になると、入学式もなければクラス替えもなく、ドキドキするような出会いの場なんて、合コンくらいになってしまう。そんな誂(あつら)えものめ…
ヴァージニア・ウルフがあるエッセイの中で、書評家なんてガター(要約を抜き取り)&スタンプ(評価を印でつける)だけやっていればいい、というよ…
二〇〇〇年の翻訳小説の収穫といえば、当然ながらリチャード・パワーズの『舞踏会へ向かう三人の農夫』(みすず書房)がその一冊に挙げられると思う…