1961年長崎生まれ。文芸評論家、フランス文学者。ロック、ラップなどの音楽・文化論、現代日本文学をめぐる批評活動を行う。最新作に『戦争へ、文学へ 「その後」の戦争小説論』(集英社)。その他の著書に『フランス暴動 - 移民法とラップ・フランセ』『じゃがたら』(共に河出書房新社)、『フットボール・エクスプロージョン』(白水社)、『フットボール都市論』(青土社)など。
- 著作:
陣野 俊史の書評/解説/選評
- 『あの頃 - 単行本未収録エッセイ集』(中央公論新社)陣野 俊史
武田百合子のエッセイを読むのが好きだった。なかでも『犬が星見た――ロシア旅行』は忘れがたい。夫・泰淳と竹内好との3人旅の記録。百合子のエッセイ…
書評 - 『文字の消息』(書肆侃侃房)陣野 俊史
文字が降る幻想的な世界文字が降ってくる町に住んでいる夫婦からの書簡が小説を構成している。え? 文字が降ってくるって? と読者は思われるだろう…
書評 - 『不機嫌な姫とブルックナー団』(講談社)陣野 俊史
垢抜けない天才を面白くゴシック文学研究者として名高い著者によるエンタメ小説。極上と言える面白さが光る。図書館に勤める「ゆたき」はブルックナ…
書評 - 『水の匂いがするようだ: 井伏鱒二のほうへ』(集英社)陣野 俊史
気鋭のフランス文学者による井伏鱒二論、と紹介しようとして少し悩む。この本はたしかに井伏鱒二について書いてあるけれど、「論」というよりももう…
書評 - 『鏡のなかのボードレール』(共和国)陣野 俊史
著名翻訳家の思考の足跡翻訳家として名高い著者によるエッセイ集。こう書くと、仕事上のあれこれを書いているように思われるかもしれないが、まった…
書評 - 『愛すること、理解すること、愛されること』(河出書房新社)陣野 俊史
苦渋の周りを回る言葉著者の李龍徳は、シンプルそうに見える人間関係に、突然、深い亀裂を作り出して、読者を引き込む。デビュー作の『死にたくなっ…
書評