不在――物語と記憶とクロニクル / ナタリーア・ギンズブルグ
不在――物語と記憶とクロニクル
  • 著者:ナタリーア・ギンズブルグ
  • 翻訳:望月 紀子
  • 監修:ドメーニコ・スカルパ
  • 出版社:みすず書房
  • 装丁:単行本(352ページ)
  • 発売日:2022-09-17
  • ISBN-10:462209522X
  • ISBN-13:978-4622095224
内容紹介:
20世紀イタリアの「最も美しい声」ともいわれる作家、ナタリーア・ギンズブルグ。その人生をたどり現前させる珠玉の37篇で編まれた決定版選集。初公開の記事・ノンフィクションも収める。屈託… もっと読む
20世紀イタリアの「最も美しい声」ともいわれる作家、ナタリーア・ギンズブルグ。その人生をたどり現前させる珠玉の37篇で編まれた決定版選集。初公開の記事・ノンフィクションも収める。
屈託なく闊歩する女優さながらの女性、内気でひっこみ思案の女性、どんな女性でも時おり暗い井戸に落ちることがある。その傍らには、相手の目を見られず、内面が崩壊した、でも放っておけない男たち……。17歳のデビュー作から、少し悪意のある子どもの視線で語るような文体は「従来にない言語感覚」と評される。
不器用で孤独で、ことばが一種の「魔法」であった子ども時代。ファシズムにもナチスにも抗って活動したレオーネとの結婚と流刑地での暮らしと夫の獄死、革命が夢であった時間から、社会が反転する戦後の渦の中へ。パヴェーゼやカルヴィーノと働いた出版社での仕事。生活の現場や工場のルポルタージュ。やがて長男カルロは稀代の歴史家になった。
人生は勝手に進み、人はそれを眺めるしかない。そして運命はときに不意打ちをする。「フェミニズムは嫌い」と表明しながら、ナタリーアは共闘し、悲痛を生きのびる多くの女性たちの物語を書き続けた。
編者と訳者による本格的作家論・解説を付す。

不在 九月 子どもたち ジュリエッタ 裏切り 帰宅 海辺の家 元帥 わたしの夫 ドイツ軍のエッラ通過 娘たち 冒険の日々 荷馬車に乗って 母親 日曜日 思い出 アブルッツォの冬 ある村の年代記 農民 破れ靴 夏 マテーラの空をカラスが飛ぶ 南の女性たち 子ども時代 女性について アッルミニウム社の工場では百年まえの生活 身障者 フェッリエーリ社訪問 家 恐怖 怠慢 私の精神分析 子ども時代 白い口ひげ パッリダッシの月 パッラマッリオ街 やさしい花

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