1『小説を書くということ』(中央公論新社)
自分が消えたのちにも残る普遍性小説を書く前に、小説とはなにか、小説を書くとはどういうことかを根本的につきつめ、真の出発に向けた内的な準備を徹底したのが辻邦生だった。抽象的な理論でも作法の指南でもない…

自分が消えたのちにも残る普遍性小説を書く前に、小説とはなにか、小説を書くとはどういうことかを根本的につきつめ、真の出発に向けた内的な準備を徹底したのが辻邦生だった。抽象的な理論でも作法の指南でもない…
コロナが 「賃貸族」を再考させたはじめまして、みなさん。モトザワです。57歳、独身、子なし、住宅大好きな「住み道楽」のフリーライターです。いきなりですが、質問です。コロナは、あなたの生活を変えましたか…
雑誌屋の普及が広めた形態『調べる技術』でヒットを⾶ばした著者が図書館員時代に蓄積した知識をフル稼働させた意外に奥深い読書形態史。著者は、昭和の洋⾏経験者に海外には⽴ち読みなしという証⾔が多いのに⽬を…
六○年ごとに巡ってくるひのえうま(丙午)。一九六六(昭和四一)年には、出生数が前年の四分の三以下に落ち込んだ。丙午生まれの女性は≪気性が荒…く、婚姻に差し障≫る。放火犯八百屋お七が丙午だったので広まった…
創作のような古典の翻訳河出書房新社版の日本文学全集、最新刊。古典の翻訳である。今回は、枕草子を酒井順子が、方丈記を高橋源一郎が、徒然草を内田樹が訳している。 高橋訳の方丈記を読んで、吃驚(びっくり)…
作りこみの深い網羅的論集米大統領選に向けた党大会と予備選挙が始まっている。中間選挙以降に新有権者となるZ世代は潜在投票数830万人とも。Z世代全体での有色人種率は45%となり、多様性が増す。この層は政治意…
帯にはこう書かれている。<もう国や政府に頼れないので、目に見えない存在に救いを求めることにしました!>そうだよな。いまだ医療機関や福祉施設にすら十分なマスクを供給できない、こんな国だもの(ALL REVIEWS…
『梁塵秘抄』――この素敵な本は、題で随分ソンをしているように思う。たまに持って歩いていると、若い友人たちから不思議そうな目で見られる。「わっ、さすが、モト古典の先生!」「なにそれ、宗教関係の本?」もの…
知を奪われた女性の戦いと希望『侍女の物語』続編、独裁神権国家、ギレアデ共和国の「その後」の物語だ。侍女オブフレッドが、記憶と現在を手繰り寄せながら暗闇を進むように語る前作とは違い、三人の異なる話者が…
新型コロナウィルスの蔓延で、いまやマスクは私たちの生活に欠かせない存在となった。ファッション雑誌では、マスクと服の組み合わせを提案するマスク・コーディネートまで特集されている。歴史を振り返ってみれば…