1『限界分譲地 繰り返される野放図な商法と開発秘話』(朝日新聞出版)
タダでも安価過ぎて…「負動産」素顔バブル崩壊の直撃を受けた不動産は、その後どうなるのだろう。土地や家屋は価格が下がり、やがて底値で売却される。もしくは人口減と相まって無人の荒野に戻る、というのが一般…
![松原 隆一郎](/api/image/square/90/images/upload/2017/06/dd8190b1e29838f8c1f29e7f14077367.jpg)
タダでも安価過ぎて…「負動産」素顔バブル崩壊の直撃を受けた不動産は、その後どうなるのだろう。土地や家屋は価格が下がり、やがて底値で売却される。もしくは人口減と相まって無人の荒野に戻る、というのが一般…
私が知る限り、小説家にはスランプを自然現象として受け入れる人と、「虚構」として否定する人がいる。前者の例はジュンパ・ラヒリ。後者の代表はトニ・モリスン。作者自身の不調を見つめて書いたという森見の本作…
〈ラテンアメリカ文学〉というジャンルを世界に認知させた傑作である。といっても、単に中南米地域の文学を普遍的なレベルに高めたというだけではなく、〈ラテンアメリカ性〉とでもいうべき性質を新たな世界の可能…
経緯や暮らし読み解く江戸時代が始まる直前直後の時期には、ヨーロッパやアジアの各地、さらにはメキシコやペルーなど新大陸にまで、かなり多くの日本人の男女が奴隷や期限付きの契約使用人として運ばれて暮らして…
本書には、作家三島由紀夫が聖心女子大を卒業したばかりの正田美智子と見合いをしたのではないか、そこから発展して、もしその結婚が成就していれば三島は市ヶ谷の自衛隊で劇的な割腹自殺などしなかったのではない…
双方に届く深さを備えるにはあの百田尚樹氏が『今こそ、韓国に謝ろう』を出版した(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2017年7月)。謝る、本気なの? と思って読むと、やっぱり変化球だ。「ほめ殺し」を思わ…
『梁塵秘抄』――この素敵な本は、題で随分ソンをしているように思う。たまに持って歩いていると、若い友人たちから不思議そうな目で見られる。「わっ、さすが、モト古典の先生!」「なにそれ、宗教関係の本?」もの…
今、便利さや安全性、生産性、省資源などを向上させるため、旧来のやり方を変えるよう促す取り組みが、職場や学校、地域などあらゆるところで行われています。とはいえ、それを取り入れるかどうかは個人や個別の組…
福岡を独立させよ、暴力・テロの近未来リアル北朝鮮特殊戦部隊の精鋭が福岡ドームを占領し、三万人の野球観戦客を人質にして、福岡を日本国から独立させようと図る。 荒唐無稽、というもおろかなこの物語を、リア…
この数年、性的少数者を題材にした小説が増えている。それを書くことが当たり前になったのだ。川上弘美『森へ行きましょう』や川上未映子『夏物語』のように性的少数者がさりげなく出てくる作品もあるし、千葉雅也…