1『哲学の世界 時間・運命・人生のパラドクス』(講談社)
≪一見妥当に思える推論≫で≪驚くべき結論を導く≫パラドクス。ギリシャの昔から哲学の常道だ。運動は可能なのか?/時間は流れているのか?/運命は決まっているのか?/死は悪いことか?/私たちは自由なのか?/人…
≪一見妥当に思える推論≫で≪驚くべき結論を導く≫パラドクス。ギリシャの昔から哲学の常道だ。運動は可能なのか?/時間は流れているのか?/運命は決まっているのか?/死は悪いことか?/私たちは自由なのか?/人…
コロナが 「賃貸族」を再考させたはじめまして、みなさん。モトザワです。57歳、独身、子なし、住宅大好きな「住み道楽」のフリーライターです。いきなりですが、質問です。コロナは、あなたの生活を変えましたか…
通りすがりに誰かの家の玄関が開き、家の中がチラッと見えると、さらに奥の部屋を想像してしまう。それぞれの暮らしがある。その暮らしはそう簡単には見えない。見えないのがいい。街に吐き出された個々に、戻る家…
カメのための音楽エグバート・ゲブスタッターの怪著『金、銀、銅――不滅の合金』(Egbert B. Gebstadter, Copper, Silver, Gold: an Indestructible Metallic Alloy, Acidic Books, 1979)が野崎昭弘、はやしはじめ…
感覚的な表象にひそむ可逆的な関係性「使う」という言葉は日常生活のなかでよく用いられ、ふだん誰もが何気なく口にしている。鷲田清一はこのたった一つの単語から魔法のように思考連鎖のスペクトルを現出させ、感…
教訓もたらす湯船からの史実歴史を扱うのは難しい。それが作られる渦中では全体が見えず、それがまさに歴史となっていく過程では、忘却や風化とたたかうことが求められる。風化の先には、史実の否定やねじまげが起…
愉悦の小説紹介:書き出しから引き込まれる小説頂上の作品日本のある批評家によれば、世界の小説は『百年の孤独』以前とそれ以後に分けられるとのこと。中国にもロシアにも、アメリカ合衆国にも日本にも、世界中…
少し遅れてくる祈りの言葉の重み「三十余年」のあいだに発表された百九十篇ほどの散文がならぶ、伽藍のような大著である。全体は四章からなり、編年ではなく主題が互いに近接するよう構成されていて、重層的な相互…
老女たちの跳梁ふつうなら衰退の一語で片づけられてしまうボケ現象を、発想の転換によって肯定的な力に高めたのが、赤瀬川原平の『老人力』(筑摩書房)である。体力の低下、物忘れの頻発、おなじ話の繰り返し。マ…
言葉だけで成り立つ思考を焼きなましたフライプレス機、絶縁材(カルトン)、固定磁気回路、座金、発条(バネ)、歪(ゆが)み取り、溶鉱炉、焼きなまし、鉄鋲(リヴェット)打ち、帯板の型抜き、可動指片の転向装…