1『百年戦争-中世ヨーロッパ最後の戦い』(中央公論新社)
ヨーロッパ中世史は日本人には分かりづらい。背景には、王侯貴族が乱立し、さまざまな姻戚関係を結び、複雑にからむ王位継承問題がある。百年戦争は、一三三七年のフランス王位と領土をめぐる係争に端を発し、一四…
ヨーロッパ中世史は日本人には分かりづらい。背景には、王侯貴族が乱立し、さまざまな姻戚関係を結び、複雑にからむ王位継承問題がある。百年戦争は、一三三七年のフランス王位と領土をめぐる係争に端を発し、一四…
コロナが 「賃貸族」を再考させたはじめまして、みなさん。モトザワです。57歳、独身、子なし、住宅大好きな「住み道楽」のフリーライターです。いきなりですが、質問です。コロナは、あなたの生活を変えましたか…
学生時代、全国の巨大仏・大観音を訪ね歩いていた。由緒正しいとは限らない。歴史が浅いものも少なくない。周囲の景観を破壊するように、圧倒的な違和感を作り出す。今にも動き出しそうな、いや、バスなどで移動し…
言葉の錬金術を照らす87の証言内田百閒(ひゃっけん)は一九七一年四月、八十一歳で死去した。今年は没後五十年。それを記念して編まれた本書には、講談社版『内田百閒全集』(全十巻、七三年完結)および福武書店…
読みにくい文章を書かないための実用書である。悪文の実例がたくさん出てくる。法律の文章もあれば新聞記事もある。有名な作家の小説もある。なぜその文章が読みにくいのか、文章の構造を図解で示す。悪文にはいく…
〈ラテンアメリカ文学〉というジャンルを世界に認知させた傑作である。といっても、単に中南米地域の文学を普遍的なレベルに高めたというだけではなく、〈ラテンアメリカ性〉とでもいうべき性質を新たな世界の可能…
疫病や災害が夫婦の結合強めた核家族と中世。奇妙な組み合わせに感じるのは、中世の特徴を家(いえ)制度の成立と見る通説が前提にあるからだ。平等な分割相続が、家名や家産を長男が独占する単独相続へと変わり、…
2018 この3冊(1)『一八世紀 近代の臨界 ディドロとモーツァルト』鷲見洋一著(ぷねうま舎)(2)『日本人の自然観』鈴木貞美著(作品社)(3)『悪魔の神話学』高橋義人著(岩波書店)(1)『一八世紀 近代の…
橋本流の逸脱、脱臼、余談の戦後史小説二段組1200頁(ページ)強の長編小説であり、100頁に及ぶ詳細な「人名地名その他ウソ八百辞典」なる註(ちゅう)があり、その上、著者による「人工島戦記地図」が別冊付録と…
古典落語に「百川」という噺(はなし)がある。のっけから魚河岸の若い衆と田舎出の奉公人との言葉が行き違い、面白おかしいズレが軽妙な展開をみせるのだが、ふんだんに盛りこまれた江戸の習俗の厚みが、この噺を名…