書評

『四角形の歴史』(毎日新聞社)

  • 2020/04/03
四角形の歴史 / 赤瀬川 原平
四角形の歴史
  • 著者:赤瀬川 原平
  • 出版社:毎日新聞社
  • 装丁:単行本(117ページ)
  • 発売日:2006-02-01
  • ISBN-10:4620317403
  • ISBN-13:978-4620317403
内容紹介:
人間はなぜ風景画を描くのか?四角い画面。四角いファインダー。その四角形はどこからやってきたのだろう?壮大で美しい、文明のはじまり物語。
この本は「画期的な本」である。と私は思う。

テーマも画期的であれば(四角形の歴史だ)、その表現方法も画期的である(絵本で書いた論文)。

その文字数も画期的であるし(立ち読みで全頁<ページ>読めてしまう)そのオモシロさも画期的である。

そのオモシロさは、著者の考え方からくるのだが、その考え方を盛る器として、この画期的な形式を生んだことによっている。

四角形とは何か? 四角形はどのようにして出来たか? そんなことを考えた人がいただろうか。

世の中の物がだいたい四角形になっているのは、子供のころから変に感じていた。

と、著者は「あとがき」で書いている。

そんなことを考える子供、あるいはそんなことを子供の時に考えていたのを憶えている大人。

冒頭に(絵本で書いた論文)と説明した。本意は現物にあたっていただければ、ご理解いただけようが、誤解も生みそうだ。

この本はややこしい本ではない。四角形のことを考えて、心がなごむといえば妙だけれども、気持ちのよい、詩集を読むような、ゼイタクな時間を楽しめる本だ。画期的だ。
四角形の歴史 / 赤瀬川 原平
四角形の歴史
  • 著者:赤瀬川 原平
  • 出版社:毎日新聞社
  • 装丁:単行本(117ページ)
  • 発売日:2006-02-01
  • ISBN-10:4620317403
  • ISBN-13:978-4620317403
内容紹介:
人間はなぜ風景画を描くのか?四角い画面。四角いファインダー。その四角形はどこからやってきたのだろう?壮大で美しい、文明のはじまり物語。

ALL REVIEWS経由で書籍を購入いただきますと、書評家に書籍購入価格の0.7~5.6%が還元されます。

初出メディア

朝日新聞

朝日新聞 2006年04月02日

朝日新聞デジタルは朝日新聞のニュースサイトです。政治、経済、社会、国際、スポーツ、カルチャー、サイエンスなどの速報ニュースに加え、教育、医療、環境、ファッション、車などの話題や写真も。2012年にアサヒ・コムからブランド名を変更しました。

  • 週に1度お届けする書評ダイジェスト!
  • 「新しい書評のあり方」を探すALL REVIEWSのファンクラブ
関連記事
南 伸坊の書評/解説/選評
ページトップへ