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『計算する生命』(新潮社)養老 孟司
圧倒的な評価と支持を受けながら長らく品切れにしていた、オーストリアの作家
トーマス・ベルンハルト(1931-1989)の代表的長編小説『消去』を、ここに一巻にして新たにおくる。
主人公フランツ‐ヨーゼフ・ムーラウが両親と兄の死を告げる電報を受け取るローマの章「電報」と、
主人公が葬儀のために訪れる故郷ヴォルフスエックを描く章「遺書」からなる本書は、
反復と間接話法を多用した独特の文体で、読者を圧倒する。
ベケットの再来、20世紀のショーペンハウアー、文学界のグレン・グールド。挙げ句には、
カフカやムジールと肩を並べる20世紀ドイツ語圏の最重要作家と評価されるベルンハルトとは、
いったい誰なのか。
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