書評
『エレクトロ・ショック』(河出書房新社)
フランスのテクノ社会論
あまり知られていないが、フランス産のテクノは世界的市場を持つ。最近ではダフト・パンクやAirの成功がある。だが、フランスで一番有名なDJは誰か、と問われれば、みんな、この本の著者、ロラン・ガルニエと答えるだろう。たぶん。ガルニエは、フランスのテクノ・オリジネイターの一人だけれど、最初からDJだったわけではない。イギリスのホテルでの修業時代。クラブでの刺激的なパフォーマンスに出会い、自分でプレイする道を選ぶ。
フランスに帰国したガルニエは、徐々にシーンと関係していく。九四年、ファーストアルバム。卓越した技術で聴衆を魅了。この本の魅力は、ガルニエを中心としつつも、当時のフランスのテクノ環境を細かく記述していることだ。レイヴと称するパーティがいかに弾圧にあっていたか、ドラッグや法律の締めつけで致命的な後退を余儀なくされたシーンがどう蘇生するのか。ガルニエは、シーンの内側から語る。
中でも九三年から九六年の官憲の弾圧は異常だ。ちょうどフランス社会が移民に厳しくなった頃。テクノ社会論とでも言うべき名著。
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