
1961年長崎生まれ。文芸評論家、フランス文学者。ロック、ラップなどの音楽・文化論、現代日本文学をめぐる批評活動を行う。最新作に『戦争へ、文学へ 「その後」の戦争小説論』(集英社)。その他の著書に『フランス暴動 - 移民法とラップ・フランセ』『じゃがたら』(共に河出書房新社)、『フットボール・エクスプロージョン』(白水社)、『フットボール都市論』(青土社)など。
- 著作:
陣野 俊史の書評/解説/選評
- 『真ん中の子どもたち』(集英社)陣野 俊史
日中台、言語入り混じる空間小さい頃に日本にやってきた主人公・琴子は、世界には2つの「ことば」がある、と思っていた。おうちの中のことばと外の…
書評 - 『もう生まれたくない』(講談社)陣野 俊史
死が起こす波すくい取るこの小説を読んでいて思い出したのは、東日本大震災の後、名前を知っている人も、そうではない人でも、訃報が届くと、それま…
書評 - 『ロング・リリイフ』(航思社)陣野 俊史
そぎ落とされた詩の言葉松本圭二のセレクションが刊行中だ。松本は詩人であり、小説を書き、映画についての犀利(さいり)な論考を発表してきた。 …
書評 - 『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』(講談社)陣野 俊史
「いまは戦前」小説家と猫語るいまは戦前だ、と語り手である小説家は書く。戦争は決して一律にやってくるのではなく、弱い者のうえにまず不幸が落ち…
書評 - 『棕櫚の葉を風にそよがせよ』(文遊社)陣野 俊史
喧騒とは無縁の澄明な世界昔、野呂邦暢という作家がいた。亡くなったのは1980年。42歳という若さだった。30年以上の時間が過ぎたことになる。もっと…
書評 - 『双子は驢馬に跨がって』(河出書房新社)陣野 俊史
自前の言葉で挑む奇想金子薫の小説を読むと、自分が文学に接するときでさえ、いかに現実に毒されているか、はっとさせられる。言葉で織り上げる文学…
書評