
1961年長崎生まれ。文芸評論家、フランス文学者。ロック、ラップなどの音楽・文化論、現代日本文学をめぐる批評活動を行う。最新作に『戦争へ、文学へ 「その後」の戦争小説論』(集英社)。その他の著書に『フランス暴動 - 移民法とラップ・フランセ』『じゃがたら』(共に河出書房新社)、『フットボール・エクスプロー…もっと読む
『待望の短篇は忘却の彼方に』(河出書房新社)
陣野 俊史期待通り、活字の即興演奏私個人は、中原昌也の小説をすばらしいと思っている。この新作の短篇集も期待に違わぬ出来だ。だが、私がすばらしいと書く…
書評
『片付けない作家と西の天狗』(河出書房新社)
陣野 俊史自分の生活が安穏に感じる笙野頼子さんの文章を読むと、自分の暮らしがいかに安穏としているかを思い知らされ、妙に尻が落ち着かない感じになる。笙…
書評
『一階でも二階でもない夜 - 回送電車II』(中央公論新社)
陣野 俊史懐かしさ呼び覚ます筆致堀江敏幸の真骨頂は文章の端正さにある。だから彼の書く文章が小説なのか、エッセイなのかなどと問うことにはほとんど意味が…
書評
『日本近代文学との戦い―後藤明生遺稿集』(柳原出版)
陣野 俊史晩年の小説家切実さ胸打つ後藤明生が亡くなってから五年。ゴーゴリなどのロシア文学に裏打ちされた確かな文学観と、独特のユーモアは多くのファンを…
書評
『宗教が往く』(マガジンハウス)
陣野 俊史「私」語り突き放す実験小説自伝的要素いっぱいの長編小説。人気の劇作家が怒涛の実人生をフィクションの形で語っている。ただ、どこまでも、そして…
書評
『星か獣になる季節』(筑摩書房)
陣野 俊史心の揺れを正確に表現詩人とは、言葉を摑(つか)まえる人のことである。中原中也賞を若くして受賞した詩人・最果タヒの初の小説集を読んで、その思…
書評
『遠い触覚』(河出書房新社)
陣野 俊史偉大な寄り道のエッセー保坂和志さんのエッセイには、小説家の中の混沌を説明しようとする姿勢が見えて、こちらもちょっと身構える感じがあった。こ…
書評
『野良猫を尊敬した日』(講談社)
陣野 俊史歌人の少しヘンテコな日常人気歌人の最新エッセイ集。一つひとつは短いが、ちょっとヘンテコな日常が鮮明に浮かび上がる。この人の基本的なトーンは…
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『ハワイ、蘭嶼』(左右社)
陣野 俊史2つの島で全感覚を解放管啓次郎の書く文章に接すると、自分の感覚のどこかが確実に刺激されるのがわかる。それは、たぶん、管が自分の全感覚を開放…
書評
『動物記』(河出書房新社)
陣野 俊史人類史語る森での会話これまでも動物は文学の中で語られてきた。だが、いま、動物に新しい光を当てようとする動きが世界的にある。動物との「共生」…
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『界』(文藝春秋)
陣野 俊史日本の土地に根ざす物語藤沢周の最新短篇(ぺん)集。「月岡」「千秋」「指宿」「化野」……と続く小説は、日本の土地に根ざした物語になっている。と…
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『残された者たち』(集英社)
陣野 俊史ユーモア漂う限界集落の日常芥川賞作家・小野正嗣が4年前に発表した小説が、いきなり文庫化された。小野がずっと書き継いできた、海沿いの、人の少…
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『ぼくの短歌ノート』(講談社)
陣野 俊史中学生の投稿、大家と一緒に文芸誌「群像」に連載中の「現代短歌ノート」が書籍に。「高齢者を詠った歌」や「落ちているものの歌」など、テーマ設定…
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『朝顔の日』(新潮社)
陣野 俊史妻との日常、緻密な描写力でデビュー作の『指の骨』もそうだったが、まだ30代の作者が書く小説は、戦争を背景にしている。一種の戦争小説と考えてい…
書評
『悲しみと無のあいだ』(文藝春秋)
陣野 俊史父の被爆、作家の肉声に近く青来有一は1958年生まれ。戦後世代でありながら、生地・長崎に落とされた原爆をめぐって小説を書いてきた。その一つの達…
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『砂浜に坐り込んだ船』(新潮社)
陣野 俊史亡き友人との対話テーマ文学全集の編者として著者の名前を見かける機会が増えた。だが実作者としての池澤夏樹に、ときどき会いたくなる。8篇を収め…
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『ネンレイズム/開かれた食器棚』(河出書房新社)
陣野 俊史年齢とは何か、独特の哲学2篇を収める。中でも年齢について書かれた「ネンレイズム」のほうに心動かされた。 冒頭はこう。こんにちは、私は年齢愛…
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『台湾生まれ 日本語育ち』(白水社)
陣野 俊史自分は誰なのか、真摯な思索表紙の写真を見てほしい。著者の温又柔さんの自己認識を正確に映し出したような、やどかり。温さんは紛れもない「日本語…
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『異類婚姻譚』(講談社)
陣野 俊史小説にしか描けないたくらみ4篇を収める。表題作の「異類婚姻譚」が第154回芥川賞を受賞した。結婚してもうすぐ4年が経(た)つ夫婦。「私」は専業…
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『地鳴き、小鳥みたいな』(講談社)
陣野 俊史小さな記憶縫い合わせる著者、久しぶりの短篇(ぺん)集。4篇を収める。保坂和志さんの小説は、長篇『未明の闘争』以後、さらに先鋭化しているよう…
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