書評

『独り舞』(光文社)

  • 2024/10/19
独り舞 / 李 琴峰
独り舞
  • 著者:李 琴峰
  • 出版社:光文社
  • 装丁:文庫(216ページ)
  • 発売日:2022-07-13
  • ISBN-10:4334793843
  • ISBN-13:978-4334793845
内容紹介:
小学生の頃、想いを寄せていた同級生が亡くなった。迎梅は死への思いに囚われながら、レズビアンである疎外感に苛まれて生きていた。高校時代の淡い恋、そして癒えない傷。日本に渡り、名を変え、異なる言語を使う彼女を苦しめ続けるものとは何なのか――。第60回群像新人文学賞優秀作にして、芥川龍之介賞受賞作家・李琴峰のデビュー作。

台湾作家による日本語小説

大げさな言い方になるけれど、日本語文学としか言いようのない作品はこれからますます多くなるだろう。日本語は国籍とは関係ない。日本語を必要とする人たちに、日本語の門が開かれていることを望みたい。

著者は5年前に台湾から来日、本作は初めて書いた日本語小説、という。その小説で群像新人文学賞優秀作を受賞した。

主人公は、仲のいい同級生と死別し、死に魅入られている。学校では疎外感をおぼえ、一方で、性的マイノリティとして生きている。そして、日本へ……。

邱妙津(きゅうみょうしん)という名の若くして自死した台湾の作家に導かれるようにして、村上春樹を読み始めたエピソードなど、多言語文学の交差点に立つ。世界文学に連なる小説。
独り舞 / 李 琴峰
独り舞
  • 著者:李 琴峰
  • 出版社:光文社
  • 装丁:文庫(216ページ)
  • 発売日:2022-07-13
  • ISBN-10:4334793843
  • ISBN-13:978-4334793845
内容紹介:
小学生の頃、想いを寄せていた同級生が亡くなった。迎梅は死への思いに囚われながら、レズビアンである疎外感に苛まれて生きていた。高校時代の淡い恋、そして癒えない傷。日本に渡り、名を変え、異なる言語を使う彼女を苦しめ続けるものとは何なのか――。第60回群像新人文学賞優秀作にして、芥川龍之介賞受賞作家・李琴峰のデビュー作。

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初出メディア

日本経済新聞

日本経済新聞 2018年4月12日

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