書評

『美術泥棒』(亜紀書房)

  • 2026/03/11
美術泥棒 / マイケル・フィンケル
美術泥棒
  • 著者:マイケル・フィンケル
  • 翻訳:古屋 美登里
  • 出版社:亜紀書房
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(304ページ)
  • 発売日:2023-09-29
  • ISBN-10:4750518166
  • ISBN-13:978-4750518169
内容紹介:
〈 稀代の窃盗狂か、恐るべき審美家か? 〉ヨーロッパ各地から盗んだ美術品、実勢3000億円。そのあまりに華麗な手口と狂気的な美への執着を暴く、第一級の美術犯罪ノンフィクション。----… もっと読む
〈 稀代の窃盗狂か、恐るべき審美家か? 〉

ヨーロッパ各地から盗んだ美術品、実勢3000億円。
そのあまりに華麗な手口と狂気的な美への執着を暴く、第一級の美術犯罪ノンフィクション。

---------

若くして手を染めた美術品窃盗の道。
使う道具はスイス製アーミ―・ナイフ、ただ一本。
欧州を股にかけ恋人と盗みに盗んだ、輝くような日々。
屋根裏部屋に飾っては眺め、撫で、愛し、また盗む。
その先に待ち受ける想像を超えた結末とは……。

秘蔵するための営為

映画『オーシャンズ11』を例にとるまでもなく、スマートで機智(きち)に富んだ盗賊は、人を惹(ひ)きつける。本書は実在するカップルが、美術品をかすめていく様子を、細部まで活写したノンフィクションである。

スイスのアーミーナイフ1本で、監視員や防犯カメラの目をかいくぐる爽快さ。主犯のステファヌ・ブライトヴィーザーの目的は、盗品を売りさばき、金銭を得るところにはない。肉親にも出入りを禁じた屋根裏部屋の自室をプライベートな美術館として、自らの審美眼にかなったコレクションを続けるところにあった。彼の強迫観念は、窃盗ではなく、蒐集(しゅうしゅう)にあるというのである。

大英博物館をはじめ植民地をかつて持った国の所蔵品には、少なからず略奪品が含まれている。かつては国家が行えば犯罪ではなかった。個人ならば…と問いを投げかける。

かくして、私たちは稀代(きだい)の盗賊の生涯を賭けた営為を、悪徳と知りつつ愉悦を感じてしまうのだった。
美術泥棒 / マイケル・フィンケル
美術泥棒
  • 著者:マイケル・フィンケル
  • 翻訳:古屋 美登里
  • 出版社:亜紀書房
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(304ページ)
  • 発売日:2023-09-29
  • ISBN-10:4750518166
  • ISBN-13:978-4750518169
内容紹介:
〈 稀代の窃盗狂か、恐るべき審美家か? 〉ヨーロッパ各地から盗んだ美術品、実勢3000億円。そのあまりに華麗な手口と狂気的な美への執着を暴く、第一級の美術犯罪ノンフィクション。----… もっと読む
〈 稀代の窃盗狂か、恐るべき審美家か? 〉

ヨーロッパ各地から盗んだ美術品、実勢3000億円。
そのあまりに華麗な手口と狂気的な美への執着を暴く、第一級の美術犯罪ノンフィクション。

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若くして手を染めた美術品窃盗の道。
使う道具はスイス製アーミ―・ナイフ、ただ一本。
欧州を股にかけ恋人と盗みに盗んだ、輝くような日々。
屋根裏部屋に飾っては眺め、撫で、愛し、また盗む。
その先に待ち受ける想像を超えた結末とは……。

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初出メディア

東京新聞

東京新聞 2023年11月12日

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