書評

『砂浜に坐り込んだ船』(新潮社)

  • 2026/02/07
砂浜に坐り込んだ船 / 池澤 夏樹
砂浜に坐り込んだ船
  • 著者:池澤 夏樹
  • 出版社:新潮社
  • 装丁:文庫(237ページ)
  • 発売日:2018-05-29
  • ISBN-10:4101318239
  • ISBN-13:978-4101318233
内容紹介:
石狩湾で坐礁した、五千トンの貨物船。忽然と砂浜に現れた非日常的な巨体に魅せられ、夜、独り大型テレビでその姿を眺めていると、「彼」の声がした。友情と鎮魂を描く表題作と、県外の避難先… もっと読む
石狩湾で坐礁した、五千トンの貨物船。忽然と砂浜に現れた非日常的な巨体に魅せられ、夜、独り大型テレビでその姿を眺めていると、「彼」の声がした。友情と鎮魂を描く表題作と、県外の避難先から消えた被災者の静かな怒りを見つめる「苦麻の村」、津波がさらった形見の品を想像力のなかに探る「美しい祖母の聖書」ほか、悲しみを乗り越える人々を時に温かく時にマジカルに包み込む全9編。

砂浜に坐り込んだ船 大聖堂 美しい祖母の聖書 苦麻の村 上と下に腕を伸ばして鉛直に連なった猿たち 夢の中の夢の中の、 イスファハーンの魔神 監獄のバラード マウント・ボラダイルへの飛翔

亡き友人との対話テーマ

文学全集の編者として著者の名前を見かける機会が増えた。だが実作者としての池澤夏樹に、ときどき会いたくなる。8篇を収める新しい短篇集はだから、とてもありがたい。

一貫したテーマがある。すでに死んでしまっている友人・知人との対話。冒頭の表題作が印象的だ。

ある日、新聞に石狩湾新港近くの浜に座礁した船の写真が載った。ベトナムの貨物船は、砂の上に坐りこんだように写っていた。現地に行って船をみる。

坐礁した船は美しかった

帰宅して撮った写真を見ているうちに、死んだ友人がすぐ傍にいるような感覚に襲われた。彼の住んでいた家、母親との静かな生活。抑制の効いた文体が印象的だ。
砂浜に坐り込んだ船 / 池澤 夏樹
砂浜に坐り込んだ船
  • 著者:池澤 夏樹
  • 出版社:新潮社
  • 装丁:文庫(237ページ)
  • 発売日:2018-05-29
  • ISBN-10:4101318239
  • ISBN-13:978-4101318233
内容紹介:
石狩湾で坐礁した、五千トンの貨物船。忽然と砂浜に現れた非日常的な巨体に魅せられ、夜、独り大型テレビでその姿を眺めていると、「彼」の声がした。友情と鎮魂を描く表題作と、県外の避難先… もっと読む
石狩湾で坐礁した、五千トンの貨物船。忽然と砂浜に現れた非日常的な巨体に魅せられ、夜、独り大型テレビでその姿を眺めていると、「彼」の声がした。友情と鎮魂を描く表題作と、県外の避難先から消えた被災者の静かな怒りを見つめる「苦麻の村」、津波がさらった形見の品を想像力のなかに探る「美しい祖母の聖書」ほか、悲しみを乗り越える人々を時に温かく時にマジカルに包み込む全9編。

砂浜に坐り込んだ船 大聖堂 美しい祖母の聖書 苦麻の村 上と下に腕を伸ばして鉛直に連なった猿たち 夢の中の夢の中の、 イスファハーンの魔神 監獄のバラード マウント・ボラダイルへの飛翔

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初出メディア

日本経済新聞

日本経済新聞 2015年12月17日

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