書評

『ケルトとは何か』(講談社)

  • 2026/03/17
ケルトとは何か / 原 聖
ケルトとは何か
  • 著者:原 聖
  • 出版社:講談社
  • 装丁:単行本(248ページ)
  • 発売日:2025-12-11
  • ISBN-10:4065420261
  • ISBN-13:978-4065420263
内容紹介:
妖精たちが戯れる神秘的な世界、美しい文様の装飾写本、華やかな音楽文化、騎士と魔術師が活躍するアーサー王物語など、古くて魅力あるヨーロッパの基層文化とされる「ケルト」。しかしその多… もっと読む
妖精たちが戯れる神秘的な世界、美しい文様の装飾写本、華やかな音楽文化、騎士と魔術師が活躍するアーサー王物語など、古くて魅力あるヨーロッパの基層文化とされる「ケルト」。しかしその多くは、近代に生み出された「伝統」だった。ナショナリズムに利用される一方で、ヨーロッパ統合の象徴となり、近代文明を批判する「癒し」も期待されるケルトの実像とは。歴史と言語、美術、文芸、考古学など多角的な視点で見えてくる、豊かな文化の広がりと、近年活況を示すケルト研究の現在。

目次
第一章 近代が生んだケルト文化
第二章 ケルト美術と考古学
第三章 文芸と民俗のなかのケルト
第四章 民族起源の伝説と史実
第五章 ケルト諸語の言語学
第六章 社会のなかのケルト諸語
ケルト人の世界はしばしば古くて神秘的なヨーロッパの基層文化といわれる。だが、ケルト文化は「近代に創設された伝統」が多い。祭祀(さいし)者のドルイドも神秘な妖精のハロウィーンも同類であり、古代から継承されてきた言語こそがケルト文化の核心をなす。ケルト諸語からなる文化圏のなかに現フランスにあたるガリアがあり、古代ガリア語碑文もある。

ICCAVOS.OP
PIANICNOS.IEV
RV.BRIGINDONI
CANTALON

ローマの書体を借りた碑銘は「オピアノスの息子、イカウオスが、カンタロンをブリギンドナに捧(ささ)げた」と訳される。古代ケルト語は、S(主語)、V(動詞)、O(目的語)の語順だが、中世以降のケルト諸語ではVSOの語順になっているらしい。例外や変遷があり、音韻・文法・語彙(ごい)などで、印欧諸語と異なる特徴を共有しているが、そこに住む人々が「ケルト人」「ケルト民族」などのまとまりをなしていたわけではない。人間の文化は異なる集団とふれ合い、混ざり合っているが、この文化移転はケルト文化の変容に典型的に見られ、歴史上の好例をなす。
ケルトとは何か / 原 聖
ケルトとは何か
  • 著者:原 聖
  • 出版社:講談社
  • 装丁:単行本(248ページ)
  • 発売日:2025-12-11
  • ISBN-10:4065420261
  • ISBN-13:978-4065420263
内容紹介:
妖精たちが戯れる神秘的な世界、美しい文様の装飾写本、華やかな音楽文化、騎士と魔術師が活躍するアーサー王物語など、古くて魅力あるヨーロッパの基層文化とされる「ケルト」。しかしその多… もっと読む
妖精たちが戯れる神秘的な世界、美しい文様の装飾写本、華やかな音楽文化、騎士と魔術師が活躍するアーサー王物語など、古くて魅力あるヨーロッパの基層文化とされる「ケルト」。しかしその多くは、近代に生み出された「伝統」だった。ナショナリズムに利用される一方で、ヨーロッパ統合の象徴となり、近代文明を批判する「癒し」も期待されるケルトの実像とは。歴史と言語、美術、文芸、考古学など多角的な視点で見えてくる、豊かな文化の広がりと、近年活況を示すケルト研究の現在。

目次
第一章 近代が生んだケルト文化
第二章 ケルト美術と考古学
第三章 文芸と民俗のなかのケルト
第四章 民族起源の伝説と史実
第五章 ケルト諸語の言語学
第六章 社会のなかのケルト諸語

ALL REVIEWS経由で書籍を購入いただきますと、書評家に書籍購入価格の0.7~5.6%が還元されます。

初出メディア

毎日新聞

毎日新聞 2026年3月14日

毎日新聞のニュース・情報サイト。事件や話題、経済や政治のニュース、スポーツや芸能、映画などのエンターテインメントの最新ニュースを掲載しています。

ALL REVIEWS 書評講座(オンライン受講) ≫オンラインで参加する
現地満席|オンライン参加OK
「読む」側から、 「書く」側へ。
オンライン参加OK/過去回アーカイブ付。
全12回・途中申込OK。豪華講師陣の書評講座、開催中。
  • 週に1度お届けする書評ダイジェスト!
  • 「新しい書評のあり方」を探すALL REVIEWSのファンクラブ
関連記事
本村 凌二の書評/解説/選評
ページトップへ