書評

『太陽・惑星』(新潮社)

  • 2026/04/23
太陽・惑星 / 上田 岳弘
太陽・惑星
  • 著者:上田 岳弘
  • 出版社:新潮社
  • 装丁:文庫(304ページ)
  • 発売日:2022-02-28
  • ISBN-10:4101212627
  • ISBN-13:978-4101212623
内容紹介:
太陽は毎日輝いている。そりゃそうだ。けど、輝き果てた後には何が残るのか?金か、それともカネか―。新宿の安ホテルで、アフリカの赤ちゃん工場で、パリの蚤の市で、インドの湖畔で、我ら人類は飽くなき欲望をスパークさせ、ついには不老不死が実現する。挙句の果てに太陽による錬金術が完成、バンザーイ!…なのかどうかはあなたが決める。異能の芥川賞作家の伝説的デビュー作。

多様な人間関係描く

ひょっとしたら、いま読んでいる小説は傑作じゃないのか!と、読んでいる最中に興奮してくる作品にはめったにお目にかからない。たいていは、すでに読んだことのある風景が広がっていて、ちょっととんがった文体や気の利いたセリフが混ぜてあれば、及第点と判断することもある。

本書は、上田岳弘の初めての単行本。2つの小説が収録されているが、特に「太陽」というタイトルのついている小説は、比較の対象として引き合いに出して説明することのできる作品が思いつかないくらい突拍子もない小説だ。小説に出てくる場所だけでも少し挙げてみると、アフリカの赤ちゃん工場、パリの蚤(のみ)の市、インドの湖畔……。

そこではじつに多様な登場人物たちが愛し合い、別れ、何らかの形で関係を持つ。一見関係なさそうな場所で、まるで化学反応を起こしているかのように、登場人物たちが接触するのだ。すべては、太陽のせい、金のせい……。登場人物は語り続け、交代していく。

そういえば、ロベルト・ボラーニョの短編にこんなテイストがあったかも。とにかく、スケールの大きな新人が現れたものだ。
太陽・惑星 / 上田 岳弘
太陽・惑星
  • 著者:上田 岳弘
  • 出版社:新潮社
  • 装丁:文庫(304ページ)
  • 発売日:2022-02-28
  • ISBN-10:4101212627
  • ISBN-13:978-4101212623
内容紹介:
太陽は毎日輝いている。そりゃそうだ。けど、輝き果てた後には何が残るのか?金か、それともカネか―。新宿の安ホテルで、アフリカの赤ちゃん工場で、パリの蚤の市で、インドの湖畔で、我ら人類は飽くなき欲望をスパークさせ、ついには不老不死が実現する。挙句の果てに太陽による錬金術が完成、バンザーイ!…なのかどうかはあなたが決める。異能の芥川賞作家の伝説的デビュー作。

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初出メディア

日本経済新聞

日本経済新聞 2014年12月17日

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