
1961年長崎生まれ。文芸評論家、フランス文学者。ロック、ラップなどの音楽・文化論、現代日本文学をめぐる批評活動を行う。最新作に『戦争へ、文学へ 「その後」の戦争小説論』(集英社)。その他の著書に『フランス暴動 - 移民法とラップ・フランセ』『じゃがたら』(共に河出書房新社)、『フットボール・エクスプロー…もっと読む
- 『完全版 山口百恵は菩薩である』(講談社)陣野 俊史
ひたすら歌を聴いた情熱が書かせた言葉この本が初めて世に出たのが1979年。山口百恵が引退したのは80年のことだった。平岡は引退の直前に、この革命…
書評 - 『写真幻想』(平凡社)陣野 俊史
紡がれた言葉によって、時代がより鮮明に映る通常、写真集には短い言葉がついている。余計な言葉、ではない。写真に向き合って、写真という表現に言…
書評 - 『日本のロック名盤ベスト100』(講談社)陣野 俊史
“レコードじゃんけん”による順位はいかに?タイトルをみて、共感や反感はあるだろうなと思う。「ベスト100」、しかもオールタイム・ベスト! つまり…
書評 - 『尻尾と心臓』(講談社)陣野 俊史
仕事はずっと続く九州の食品問屋「柿谷忠実堂」からその子会社「カキヤ」へ出向した主人公・乾紀実彦は、外資系コンサルタントから転身した笹島彩夏…
書評 - 『レコードと暮らし』(夏葉社)陣野 俊史
手間と時間をかけて肉薄する楽しさを知る何か、凄(すご)い本を読んだな、というのが第一印象だ。著者の言う「レコード」というのは、音楽を録音した…
書評 - 『ニュー・オーダーとジョイ・ディヴィジョン、 そしてぼく』(Pヴァイン)陣野 俊史
時代に影響を与えたバンドの渦中にいた昔、といっても1980年代。英国にジョイ・ディヴィジョンというバンドがあった。内省的で思弁的な歌詞と、曲を…
書評 - 『水曜日のアニメが待ち遠しい:フランス人から見た日本サブカルチャーの魅力を解き明かす』(誠文堂新光社)陣野 俊史
ファンやオタクを超えた秀逸な日仏文化論フランスで日本のアニメやJポップが人気がある、という。毎年7月ごろに行われている「ジャパン・エキスポ」…
書評 - 『じっとしている唄』(白水社)陣野 俊史
映画についての洞察を明晰な言葉で表現する小栗康平といえば、「泥の河」や「死の棘」で有名な映画監督。オダギリジョーが藤田嗣治を演じる新作「FO…
書評 - 『PK ~最も簡単なはずのゴールはなぜ決まらないのか?~』(カンゼン)陣野 俊史
一人と一人が対峙する鬼気迫る瞬間の記録PK。ゴールキーパーからは12ヤードしか離れていない至近距離から放つシュート。だが、意外と決まらないこと…
書評 - 『島と人類』(集英社)陣野 俊史
諦念と愛着一か月ほど前、都内の某私立大学で非常勤講師が学内で全裸になったことがあった。この小説を読んでいた私は、主人公・河鍋未來夫の説く怪…
書評 - 『すべて真夜中の恋人たち』(講談社)陣野 俊史
男女の交流、きれいに掬いあげもう各紙誌で話題になっている川上未映子の新刊だ。今回は、いわゆる非モテ系の男女の交流が描かれる(ALL REVIEWS事…
書評 - 『焔』(新潮社)陣野 俊史
ディストピアの先の、かすかな希望九篇の短篇を収めた小説集、といえるだろう。九篇は主に二〇一〇年代になって以後、星野がさまざまな媒体に発表し…
書評 - 『小説禁止令に賛同する』(集英社)陣野 俊史
小説と記憶の自由本作の雑誌掲載と相前後して刊行された本がある。いとうせいこう氏が実際に足を運んだ現地報告の書、『「国境なき医師団」を見に行…
書評 - 『塔の中の女』(講談社)陣野 俊史
暴れ馬のような奔放な想像力 ★★★★☆ 読みごたえたっぷり、お薦め新人作家である。一読、著者の奔放な想像力には魅力がある、と感じた。放っておくと…
書評 - 『オブジェを持った無産者: 赤瀬川原平の文章』(河出書房新社)陣野 俊史
ニセ物か作品か 表現者の言葉が甦る赤瀬川原平の名著『オブジェを持った無産者』の復刻版だ。現代思潮社という版元から1970年に出ていた。赤瀬川が…
書評 - 『「ジュニア」と「官能」の巨匠 富島健夫伝』(河出書房新社)陣野 俊史
「流行作家」支えた一流の文章 ★★★★☆ 読むべし富島健夫という作家がいた。今でも覚えている人は多いだろう。ジュニア小説と官能小説を書き続けた「…
書評 - 『ヘッドフォン・ガール』(アルテスパブリッシング)陣野 俊史
時代のかけらを集めて見事に奏でられた物語音楽評論家・高橋健太郎、初の小説。主人公のカズは、行方不明になった伯母の家で、古い映写機に触れるう…
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