書評
『戯曲 福島三部作』(而立書房)
原発事故、前後紡ぐ問題作
話題の劇団「DULL―COLORED POP」を率いる谷賢一。福島出身の彼が放つ脚本、問題作だ。原発をめぐる3つの時間が舞台を構成する。第一部は、1961年。福島の双葉町がまだ原発誘致を決議する、少し前だ。東京の大学に通う青年・孝は帰郷し、町の空気が変化しつつあることを嗅ぎ取る。第二部は、85年と86年。第一部から四半世紀が経っている。原発推進派が優勢で、町は政争の最中だが、住民たちはすでにチェルノブイリ原発事故を知っている。
そして、最後に2011年。福島市のとある場所。原発事故から9カ月後。人間たちはポップに生き延びている。若い想像力が時代を縫い合わせる。
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