書評

『ぼくの東京全集』(筑摩書房)

  • 2025/04/27
ぼくの東京全集 / 小沢 信男
ぼくの東京全集
  • 著者:小沢 信男
  • 出版社:筑摩書房
  • 装丁:文庫(560ページ)
  • 発売日:2017-03-08
  • ISBN-10:4480434070
  • ISBN-13:978-4480434074
内容紹介:
小説、紀行文、エッセイ、評伝、書評、詩、俳句。「新東京感傷散歩」でデビューして以来60年以上の文業において、作家は一途に「東京」を歩き、書いてきた。焼跡の鮮明な記憶、銀座に暮らした… もっと読む
小説、紀行文、エッセイ、評伝、書評、詩、俳句。「新東京感傷散歩」でデビューして以来60年以上の文業において、作家は一途に「東京」を歩き、書いてきた。焼跡の鮮明な記憶、銀座に暮らした幼少期の思い出、佐多稲子や辻征夫の作品と人生、「千人斬」松の門三艸子…闊達なユーモアと確かな観察眼で、町とそこに生きる人々を描きだす。『東京骨灰紀行』著者の集大成。

目次
第1章 焼跡の街
第2章 感傷から骨灰へ―街を歩く
第3章 わが忘れなば―小説集
第4章 記憶の街角
第5章 東京の人
第6章 東京万華鏡―ぼくの読書録
第7章 街のこだま―俳句と詩

ユーモア漂う独特の文体

小沢信男さんは、1927年、銀座西8丁目育ち。小説やエッセイ、評伝、あるいは書評や詩、俳句を書いてきた。そのどれにも著者の育った東京の姿が映し出されている。本書には小沢さんの文業のすべて、というより、ベスト盤の趣(おもむ)きがある。

収められた文章のどれにも、独特のユーモアが漂い、魅力的な文体に引き込まれる。

比較的短い文章が多い中で、評者には「佐多稲子の東京地図」が面白かった。佐多が人生の変節のたびに東京を東から西へと移動したという指摘に深く納得した。「何重にもかさなるものを透視する面白さ」、と小沢さんは佐多の本を評しているが、オリジナル編集のこの文庫にも同じ感想を持つ。確かな観察眼が素晴らしい。
ぼくの東京全集 / 小沢 信男
ぼくの東京全集
  • 著者:小沢 信男
  • 出版社:筑摩書房
  • 装丁:文庫(560ページ)
  • 発売日:2017-03-08
  • ISBN-10:4480434070
  • ISBN-13:978-4480434074
内容紹介:
小説、紀行文、エッセイ、評伝、書評、詩、俳句。「新東京感傷散歩」でデビューして以来60年以上の文業において、作家は一途に「東京」を歩き、書いてきた。焼跡の鮮明な記憶、銀座に暮らした… もっと読む
小説、紀行文、エッセイ、評伝、書評、詩、俳句。「新東京感傷散歩」でデビューして以来60年以上の文業において、作家は一途に「東京」を歩き、書いてきた。焼跡の鮮明な記憶、銀座に暮らした幼少期の思い出、佐多稲子や辻征夫の作品と人生、「千人斬」松の門三艸子…闊達なユーモアと確かな観察眼で、町とそこに生きる人々を描きだす。『東京骨灰紀行』著者の集大成。

目次
第1章 焼跡の街
第2章 感傷から骨灰へ―街を歩く
第3章 わが忘れなば―小説集
第4章 記憶の街角
第5章 東京の人
第6章 東京万華鏡―ぼくの読書録
第7章 街のこだま―俳句と詩

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初出メディア

日本経済新聞

日本経済新聞 2017年3月30日

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