書評
『ラジオラジオラジオ!』(河出書房新社)
ほのかに甘美な青春小説
主人公の華菜(かな)は地方都市に住む高校3年生。東京の大学に進学し、仕事する夢を抱く。友達の智香(ともか)と2人、ふとしたことから、ラジオのパーソナリティーとなって、週に1回「ラジオラジオラジオ!」なる番組を担当することになった。舞台は2001年。夢だけがある高校生の日常を描く甘酸っぱい青春小説だが、アメリカの同時多発テロは、彼女たちの生活にも影を落としている。
評者は、50歳を過ぎたオジサンなので、女子高生たちの青春にドキドキしたりはさすがにしないが、切なさを経験として想起することはできた。たとえばタイトルからエルヴィス・コステロの「ラジオ・ラジオ」を思い出したり……。甘美さがほのかに残る佳品。
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