書評

『詩集 独り大海原に向かって』(書肆侃侃房)

  • 2024/10/26
詩集 独り大海原に向かって / 劉 暁波
詩集 独り大海原に向かって
  • 著者:劉 暁波
  • 翻訳:劉 燕子
  • 編集:田島 安江
  • 出版社:書肆侃侃房
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(272ページ)
  • 発売日:2018-03-12
  • ISBN-10:4863852967
  • ISBN-13:978-4863852969
内容紹介:
これは劉暁波の遺書である。詩集『牢屋の鼠』に次ぐ詩人劉暁波の第二詩集で最後の詩集。2017年7月13日、劉暁波に死が訪れるまで彼を呪縛し続けた「天安門事件犠牲者への鎮魂歌(レクイエム… もっと読む
これは劉暁波の遺書である。

詩集『牢屋の鼠』に次ぐ詩人劉暁波の第二詩集で最後の詩集。
2017年7月13日、劉暁波に死が訪れるまで彼を呪縛し続けた「天安門事件犠牲者への鎮魂歌(レクイエム)」、『牢屋の鼠』以降の劉霞への愛の詩「獄中から霞へ」、自身を広い世界へと解放した「独り大海原に向かって」を収載。

もくじ
天安門事件犠牲者への鎮魂歌(レ クイエム)
死の体験―「六・四」一周年追悼―
十七歳へ― 二周年追悼―
窒息した広場― 三周年追悼―
一本の煙草が孤独に燃える― 四周年追悼―
岩石の粉砕から始める― 五周年追悼―
記憶― 六周年追悼―
ぼくはぼくの魂を解き放つ― 七周年追悼―
あの日― 八周年追悼―
またもや肉薄、襲撃だ― 九周年追悼―
時間の呪詛の中に立ちつくす― 十周年追悼―
蘇氷嫻女史に捧げる― 十一周年追悼―
一枚の板の記憶― 十二周年追悼―
ぼくのからだのなかの「六・四」― 十二周年追悼―
「六・四」一つの墳墓― 十三周年追悼―
「六・四」夜明けの暗黒― 十五周年追悼―
亡霊を記憶に刻む― 十六周年追悼―
暗夜の百合の花― 十七周年追悼―
あの春の霊魂― 十八周年追悼―
子ども・母・春―「天安門の母たち」HP設立のために― 十九周年追悼―
獄中から霞へ
独り大海原に向かって
詩人としての劉暁波 劉燕子
劉暁波の遺書 田島安江

自身の無力さ、世界の美しさ

去年7月に亡くなった中国の詩人、劉暁波の詩集が刊行された(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆年は2018年)。第2詩集にして最後の詩集だ。3つの章に分かれている。天安門事件を想起し、犠牲者への哀悼の意を書き綴った「鎮魂歌(レクイエム)」。獄中から愛する妻へ書き送った哀切極まりない詩の数々。そして表題作にもなっている散文詩「独り大海原に向かって」。3つの章のうち、最初の「鎮魂歌」が圧倒的な分量を占めているが、ここでは、海をモチーフにした最後の散文詩をごくさわりだけ紹介しよう。

海辺に立つ。たった独りで。

この詩句から詩人は、自分の無力さ、そして世界の美しさを歌う。

世界が終わる時、海は涸れる。

透明な抒情に満ちた詩に、比類ない才能を読み取る。
詩集 独り大海原に向かって / 劉 暁波
詩集 独り大海原に向かって
  • 著者:劉 暁波
  • 翻訳:劉 燕子
  • 編集:田島 安江
  • 出版社:書肆侃侃房
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(272ページ)
  • 発売日:2018-03-12
  • ISBN-10:4863852967
  • ISBN-13:978-4863852969
内容紹介:
これは劉暁波の遺書である。詩集『牢屋の鼠』に次ぐ詩人劉暁波の第二詩集で最後の詩集。2017年7月13日、劉暁波に死が訪れるまで彼を呪縛し続けた「天安門事件犠牲者への鎮魂歌(レクイエム… もっと読む
これは劉暁波の遺書である。

詩集『牢屋の鼠』に次ぐ詩人劉暁波の第二詩集で最後の詩集。
2017年7月13日、劉暁波に死が訪れるまで彼を呪縛し続けた「天安門事件犠牲者への鎮魂歌(レクイエム)」、『牢屋の鼠』以降の劉霞への愛の詩「獄中から霞へ」、自身を広い世界へと解放した「独り大海原に向かって」を収載。

もくじ
天安門事件犠牲者への鎮魂歌(レ クイエム)
死の体験―「六・四」一周年追悼―
十七歳へ― 二周年追悼―
窒息した広場― 三周年追悼―
一本の煙草が孤独に燃える― 四周年追悼―
岩石の粉砕から始める― 五周年追悼―
記憶― 六周年追悼―
ぼくはぼくの魂を解き放つ― 七周年追悼―
あの日― 八周年追悼―
またもや肉薄、襲撃だ― 九周年追悼―
時間の呪詛の中に立ちつくす― 十周年追悼―
蘇氷嫻女史に捧げる― 十一周年追悼―
一枚の板の記憶― 十二周年追悼―
ぼくのからだのなかの「六・四」― 十二周年追悼―
「六・四」一つの墳墓― 十三周年追悼―
「六・四」夜明けの暗黒― 十五周年追悼―
亡霊を記憶に刻む― 十六周年追悼―
暗夜の百合の花― 十七周年追悼―
あの春の霊魂― 十八周年追悼―
子ども・母・春―「天安門の母たち」HP設立のために― 十九周年追悼―
獄中から霞へ
独り大海原に向かって
詩人としての劉暁波 劉燕子
劉暁波の遺書 田島安江

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初出メディア

日本経済新聞

日本経済新聞 2018年3月22日

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