書評

『鏡のなかのボードレール』(共和国)

  • 2024/03/06
鏡のなかのボードレール / くぼた のぞみ
鏡のなかのボードレール
  • 著者:くぼた のぞみ
  • 出版社:共和国
  • 装丁:単行本(209ページ)
  • 発売日:2016-06-09
  • ISBN-10:4907986203
  • ISBN-13:978-4907986209
内容紹介:
現代詩の始祖にして19世紀最大の詩人、シャルル・ボードレール。その恋人ジャンヌは、カリブ海出身で白人と黒人の混血女性でした。著者のくぼたのぞみさんは、詩人がかの女に捧げた「ジャンヌ… もっと読む
現代詩の始祖にして19世紀最大の詩人、シャルル・ボードレール。その恋人ジャンヌは、カリブ海出身で白人と黒人の混血女性でした。著者のくぼたのぞみさんは、詩人がかの女に捧げた「ジャンヌ・デュヴァル詩篇」を中心に語り、それらを訳し直しながら、さらにノーベル賞作家クッツェー『恥辱』へと、その思索を開いてゆきます――まるで割れた鏡の断片に、ふたりの姿が映し出されるように。それらの詩篇は、本邦初の女性訳『悪の華』ともなっています。
また、かの女を主人公にしたアンジェラ・カーター(Angela Carter)の傑作短篇「ブラック・ヴィーナス」(Black Venus)も新訳で収録。ボードレールを《世界文学》として読みかえるための、とても贅沢な1冊になりました。
新シリーズ[境界の文学]第1弾。

著名翻訳家の思考の足跡

翻訳家として名高い著者によるエッセイ集。こう書くと、仕事上のあれこれを書いているように思われるかもしれないが、まったくそうではない。自由で、該博な知識に裏打ちされた思考の足跡が描き出されている。

きっかけは、ケープタウン。著者が訳したJ・M・クッツェーが暮らした南アフリカの都市。そこで、あるワイナリーに立ち寄る。「ワイン」と「コンスタンシア」という2つの語に導かれるように、フランスの19世紀の大詩人ボードレールの詩句が脳裡によみがえる。

ボードレールが生涯愛した褐色の恋人ジャンヌ・デュヴァル。彼女のルーツを経めぐる思考の旅は、カリブ海へと及ぶ。「黒い女たちの影」を追い求める、達意の文章。



鏡のなかのボードレール / くぼた のぞみ
鏡のなかのボードレール
  • 著者:くぼた のぞみ
  • 出版社:共和国
  • 装丁:単行本(209ページ)
  • 発売日:2016-06-09
  • ISBN-10:4907986203
  • ISBN-13:978-4907986209
内容紹介:
現代詩の始祖にして19世紀最大の詩人、シャルル・ボードレール。その恋人ジャンヌは、カリブ海出身で白人と黒人の混血女性でした。著者のくぼたのぞみさんは、詩人がかの女に捧げた「ジャンヌ… もっと読む
現代詩の始祖にして19世紀最大の詩人、シャルル・ボードレール。その恋人ジャンヌは、カリブ海出身で白人と黒人の混血女性でした。著者のくぼたのぞみさんは、詩人がかの女に捧げた「ジャンヌ・デュヴァル詩篇」を中心に語り、それらを訳し直しながら、さらにノーベル賞作家クッツェー『恥辱』へと、その思索を開いてゆきます――まるで割れた鏡の断片に、ふたりの姿が映し出されるように。それらの詩篇は、本邦初の女性訳『悪の華』ともなっています。
また、かの女を主人公にしたアンジェラ・カーター(Angela Carter)の傑作短篇「ブラック・ヴィーナス」(Black Venus)も新訳で収録。ボードレールを《世界文学》として読みかえるための、とても贅沢な1冊になりました。
新シリーズ[境界の文学]第1弾。

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初出メディア

日本経済新聞

日本経済新聞 2016年8月4日

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