書評
『音楽家は本を読む。 浦久俊彦の乱読道場』(アルテスパブリッシング)
文化芸術プロデューサーによる音楽家のための読書案内。メールマガジン連載時のタイトルは「音楽家は本を読め!」だった。書店めぐりや、よい古書店の見つけかた、古書の買いかたに始まり、本を探して読んでいくさまざまな方法を指南する。紹介される本の幅の広さと奥行の深さに驚愕(きょうがく)。指揮の山田和樹やピアニストの舘野泉、青柳いづみことの本をめぐる対談も収録されている。
それにしても、なぜ音楽家は本を読まねばならぬのか。本を読む暇があったら、楽器の練習に費やしたほうがいいのではないか。そうではない。偉大な音楽家たちはすべて読書家でもあったと著者は断言する。
古来、西欧では、「ムジクス(音楽家)」と「カントル(楽士)」というふたつの呼び名があるという。カントルは「ただ演奏し歌うだけの人」。それに対してムジクスは「音によって世界を解きあかそうとする人」。ムジクスになるには音楽を生み出す土壌となった文化や歴史についての教養が必要だが、日本の音楽教育にはこれが欠けていると著者は言う。楽器は上手に弾けても音に深みがない。音楽に限らず、あらゆる分野にあてはまりそう。
 それにしても、なぜ音楽家は本を読まねばならぬのか。本を読む暇があったら、楽器の練習に費やしたほうがいいのではないか。そうではない。偉大な音楽家たちはすべて読書家でもあったと著者は断言する。
古来、西欧では、「ムジクス(音楽家)」と「カントル(楽士)」というふたつの呼び名があるという。カントルは「ただ演奏し歌うだけの人」。それに対してムジクスは「音によって世界を解きあかそうとする人」。ムジクスになるには音楽を生み出す土壌となった文化や歴史についての教養が必要だが、日本の音楽教育にはこれが欠けていると著者は言う。楽器は上手に弾けても音に深みがない。音楽に限らず、あらゆる分野にあてはまりそう。
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