内容紹介
書き手:泉 房穂
『泉房穂の国会日記 やっぱりヘンだよ永田町』(祥伝社)
「選挙ではいろいろといいこと言ってたけど、実際に国会議員って普段何やってんだろ?」。なかなか世の中からは見えづらいのに、私たちの未来が決められる場所、それが国会です。そんなブラックボックスの実態を、2025年に参議院議員となった泉房穂さんが、日記形式で徹底的にわかりやすく解き明かした新刊『泉房穂の国会日記 やっぱりヘンだよ永田町』より、一部を抜粋してお届けします。
2026年10月15日
立憲・社民・無所属会派の、こどもに関する部会に出席。
会派によっては、法務部会、厚労部会、農水部会など分野ごとに部会があり、該当分野の政策について、当事者や専門家、行政担当者などを招いてヒアリングを実施したり、法案の作成を審議したりする。会期中は週に1回程度の頻度で各部会が開かれており、朝8時頃からスタートすることも多い。
本日の部会は、こども支援の関係団体からヒアリング。公益財団法人あすのば、NPO法人しんぐるまざーず・ふぉーらむ、認定NPO法人キッズドアをはじめ、こどもの貧困対策などで、私が活動をともにしてきた人たちばかりだ。
部会では、ひとり親家庭や低所得の子育て家庭の困難な状況について報告された。給食がなくなる夏休みはとくに深刻で、米の価格の高騰などもあり1日3回食べられなかった、エアコンの使用を我慢した、夏休みらしいことを何もできずこどもが精神的に不安定になった、熱中症になったなど、現場から切実な声が多く届いた。
2011年から12間務めた明石市長時代は、こどもに手厚い支援をすることで、まち全体の経済の好循環も生んだと自負しているが、世の中は「こども支援」は「福祉」との意識がまだまだ根強いようだ。
子育て層を含めた市民の「安心」を支えることで、みんなの使えるお金を増やし、市場を回していく。ものをつくって売る企業サイドばかりを支援するのではなく、お金を使う生活者サイドも支援することで景気の底上げを図る。そのリアルを訴えてこそ、「こども支援」への共感を広げることができると私は考えている。
10月24日
高市総理が所信表明演説を行なった。
読売新聞が政権発足直後から2日かけて実施した世論調査によると、高市内閣の支持率は71%だという。前の石破政権が発足時から50%前後だったことを考えると、かなり高い水準でのスタートだ。
演説では、「強い経済成長のための大胆な投資」「物価高対策」「エネルギー安全保障」など、歯切れのよい言葉が続いたが、私は「何を言ったか」ではなく「何を言わなかったか」に注目した。「言わなかったこと」に、この政権の特徴を感じたからだ。
たとえば、大量の裏金議員を出した「政治とカネの問題」に対する反省はなく、「企業団体献金の禁止」についての言及は一言もなかった。さらに、「こども」「障害者」などのキーワードもほぼゼロだった。「子ども・子育て政策を含む人口減少対策」との言葉が出てくるが、こどもの権利ではなく、正直、人口問題を解決する方法論としての「こども政策」にすぎないと感じた。
2023年に「こどもまんなか」を掲げたこども家庭庁がスタートし、「こどもは国の未来」「こども支援は社会全体のため」という意識が広く共有されていた時期もあったが、そうした空気が徐々に変わり始めたことに少し前から気づいていた。こどもや障害者政策に対する共感が徐々に薄れつつあったが、高市総理の登場でその空気感がいっそう顕著になったと感じている。
高市さんは、こどもや障害者政策など、弱者救済的なテーマには強い関心がないのだろう。仮に関心がなくても、関心があるフリを装う政治家も一定数存在するが、高市さんはフリをする必要性さえ感じていないようだ。つまり、自分が弱者救済的なテーマに関心があると打ち出すことが、自分の支持にプラスに働くとは考えていないのだと思う。
ちなみに、所信表明演説は、衆議院と参議院でそれぞれ行なわれる。
衆議院では、「裏金問題を解決しろ!」「説明責任を果たせ!」など、にぎやかなヤジが飛び交ったことが話題になっているが、参議院のヤジはかなり控えめだ。むしろおとなしい。このあたりも衆議院と参議院のカルチャーの違いなのかもしれない。
[書き手]泉房穂
2026年10月15日
こどもを助ければ経済は回る!
立憲・社民・無所属会派の、こどもに関する部会に出席。会派によっては、法務部会、厚労部会、農水部会など分野ごとに部会があり、該当分野の政策について、当事者や専門家、行政担当者などを招いてヒアリングを実施したり、法案の作成を審議したりする。会期中は週に1回程度の頻度で各部会が開かれており、朝8時頃からスタートすることも多い。
本日の部会は、こども支援の関係団体からヒアリング。公益財団法人あすのば、NPO法人しんぐるまざーず・ふぉーらむ、認定NPO法人キッズドアをはじめ、こどもの貧困対策などで、私が活動をともにしてきた人たちばかりだ。
部会では、ひとり親家庭や低所得の子育て家庭の困難な状況について報告された。給食がなくなる夏休みはとくに深刻で、米の価格の高騰などもあり1日3回食べられなかった、エアコンの使用を我慢した、夏休みらしいことを何もできずこどもが精神的に不安定になった、熱中症になったなど、現場から切実な声が多く届いた。
2011年から12間務めた明石市長時代は、こどもに手厚い支援をすることで、まち全体の経済の好循環も生んだと自負しているが、世の中は「こども支援」は「福祉」との意識がまだまだ根強いようだ。
子育て層を含めた市民の「安心」を支えることで、みんなの使えるお金を増やし、市場を回していく。ものをつくって売る企業サイドばかりを支援するのではなく、お金を使う生活者サイドも支援することで景気の底上げを図る。そのリアルを訴えてこそ、「こども支援」への共感を広げることができると私は考えている。
10月24日
所信表明演説で総理が「言わなかった」こと
高市総理が所信表明演説を行なった。読売新聞が政権発足直後から2日かけて実施した世論調査によると、高市内閣の支持率は71%だという。前の石破政権が発足時から50%前後だったことを考えると、かなり高い水準でのスタートだ。
演説では、「強い経済成長のための大胆な投資」「物価高対策」「エネルギー安全保障」など、歯切れのよい言葉が続いたが、私は「何を言ったか」ではなく「何を言わなかったか」に注目した。「言わなかったこと」に、この政権の特徴を感じたからだ。
たとえば、大量の裏金議員を出した「政治とカネの問題」に対する反省はなく、「企業団体献金の禁止」についての言及は一言もなかった。さらに、「こども」「障害者」などのキーワードもほぼゼロだった。「子ども・子育て政策を含む人口減少対策」との言葉が出てくるが、こどもの権利ではなく、正直、人口問題を解決する方法論としての「こども政策」にすぎないと感じた。
2023年に「こどもまんなか」を掲げたこども家庭庁がスタートし、「こどもは国の未来」「こども支援は社会全体のため」という意識が広く共有されていた時期もあったが、そうした空気が徐々に変わり始めたことに少し前から気づいていた。こどもや障害者政策に対する共感が徐々に薄れつつあったが、高市総理の登場でその空気感がいっそう顕著になったと感じている。
高市さんは、こどもや障害者政策など、弱者救済的なテーマには強い関心がないのだろう。仮に関心がなくても、関心があるフリを装う政治家も一定数存在するが、高市さんはフリをする必要性さえ感じていないようだ。つまり、自分が弱者救済的なテーマに関心があると打ち出すことが、自分の支持にプラスに働くとは考えていないのだと思う。
ちなみに、所信表明演説は、衆議院と参議院でそれぞれ行なわれる。
衆議院では、「裏金問題を解決しろ!」「説明責任を果たせ!」など、にぎやかなヤジが飛び交ったことが話題になっているが、参議院のヤジはかなり控えめだ。むしろおとなしい。このあたりも衆議院と参議院のカルチャーの違いなのかもしれない。
[書き手]泉房穂
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