『「日本」とは何か』(講談社)
五味 文彦
わたしたちは自己をどうとらえてきたか
日本、日本人、日本語、日本文学等々、当たり前のように、わたしたちは「日本」といい、自分たちをあらわす国の名(国号)として何ら疑わずにいる。しかし、その名がどういう意味をもつかということについて、共通の認識をもっているであろうか。小学校や中学校で、「日本」という名の意味を教えられた(あるいは、いま教えられている)であろうか。……この国は古代から変わることなく「日本」としてあり続けてきた。わたしたち自身のために、わたしたちが自己をあらわす「日本」について考えねばならない。それがどのような意味をもって設定されたのか(古代の「日本」)、どのような歴史をたどってきたのか(歴史のなかの「日本」)ということについて、きちんと見届けることがもとめられる。――<本書より>
第1章 「日本」の登場
第2章 古代帝国における「日本」
第3章 古代中国における「倭」と「日本」
第4章 『日本書紀』講書のなかの「日本」
第5章 「日本」と「やまと」
第6章 「日本」の変奏
第7章 「東海姫氏国」ほか
第8章 近代における「日本」
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