漱石山房の人々 / 林原 耕三
漱石山房の人々
  • 著者:林原 耕三
  • 出版社:講談社
  • 装丁:単行本(413ページ)
  • 発売日:2022-02-14
  • ISBN-10:4065269679
  • ISBN-13:978-4065269671
内容紹介:
私が漱石山房に出入したのは明治四十年から大正五年先生が亡くなられた時まで、十年間である。その間に私はただの一度も先生に叱られることがなかった。それは私が入門した時の事情から、先生… もっと読む
私が漱石山房に出入したのは明治四十年から大正五年先生が亡くなられた時まで、十年間である。その間に私はただの一度も先生に叱られることがなかった。それは私が入門した時の事情から、先生がとくに私の神経をいたわって下さったということもあろうが、とにかく私は一度も先生から叱られたことがなかった。それで私は先生を恐いと思ったことがなかった。神経衰弱でいじけており、この偉い先生の前で畏まってはいたが、恐いと思ったことは一度もなかった。こんな優しい人が世にあろうかと先生の在世中も思いつづけたし、死後の現在でもあんな優しい人には二度と遭えないと信じている。(「世にも優しい人」)
漱石晩年の弟子の眼に映じた師とその家族の姿、先輩たちのふるまい……。文豪の風貌を知るうえの最良の一冊。

目次
1(漱石山房回顧;忘れ果てぬまに―伸六君に呈す;漱石とヴェロナール ほか)
2(阿部さんと夏目先生;東洋城と漱石;五段の滝 ほか)
3(若き芥川龍之介・久米正雄;佐藤春夫の人間性;私の歩んだ道 ほか)

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