〈物語エッセイおそるべし。これがもし普通のエッセイだったら、どの登場人物も、ここまでの強度は持ち得ない。佐野洋子のハサミで裁断され、物語のなかに解き放たれたからこそ実体と自由を獲得し、一人ずつがその都度、鉄砲玉のように新しく、こちらにとびだしてくるのだ。読者は、蜂の巣である。〉――江國香織さんの解説より。
この本は、見事な「恋愛小説集」だ。フィクションとエッセイの間を行ったり来たりする不思議な作品ぞろい。これを物語エッセイと名づけることにしよう。2010年12月に刊行された単行本に、強烈きわまりない〈マチコさん〉を主人公にした中篇(筑摩書房刊『問題があります』所収)を加えた完全版。全34篇を収録。著者自身によるイラストレーションも多数掲載しています。その他の書店
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