一家に君臨するホセ・エウヘニオ大佐と喘息持ちで鋭敏な感性を持つ長男ホセ・セミ―、熱帯の光に満ち満ちた日々の中で、オラーヤ家とセミー家にもたらされる生のよろこびとふりかかるあまたの苦難、痛苦な愛と非業の死――典雅で混成的なクリオーリョ文化が濃密に漂う革命前のキューバ社会を舞台に、五世代にわたる一族の歴史を、豊穣な詩的イメージとことばの遊戯を駆使して陰影深く彩り豊かに描いた、20世紀の奇書にして伝説的巨篇。
【目 次】
パラディーソ
『パラディーソ』を読むために 旦敬介
飛散してゆくイメージ――レサマ=リマの『パラディーソ』をめぐって 旦敬介
ホセ・レサマ=リマ主要著作
『パラディーソ』の構成
『パラディーソ』家系図その他の書店
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