母からもらった腎臓 生体臓器移植を経験した記者が見たこと、考えたこと / 倉岡 一樹
母からもらった腎臓 生体臓器移植を経験した記者が見たこと、考えたこと
  • 著者:倉岡 一樹
  • 出版社:毎日新聞出版
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(288ページ)
  • 発売日:2024-03-19
  • ISBN-10:4620328022
  • ISBN-13:978-4620328027
内容紹介:
「命をつなぐ」どうしてこんなに難しいのだろう、この国では――。臓器提供する側とされる側、それぞれの現実とは?腎移植記者による唯一無二のルポルタージュ。臓器移植とは、重い病気や事… もっと読む
「命をつなぐ」
どうしてこんなに難しいのだろう、この国では――。

臓器提供する側とされる側、それぞれの現実とは?
腎移植記者による唯一無二のルポルタージュ。
臓器移植とは、重い病気や事故などにより臓器の機能が低下した人に、他者の健康な臓器と取り替えて機能を回復させる医療である。第三者の善意による臓器の提供、そして社会の理解と支援があって成り立つ。

末期腎不全を患った筆者は2019年夏、母親からの生体腎移植を受けた。死の淵をも垣間見た壮絶な闘病の日々を克明に綴る。さらに、移植を待つ患者と家族、臓器を提供したドナーの家族、医療関係者ら多くの識者を綿密に取材し、日本でタブー視されることの多かった臓器移植の実態をルポ。

日本では約1万6000人が臓器移植を待つ一方、脳死下と心停止下を合わせた臓器提供数は年間100例程度にとどまる。2023年には150例まで増えたが、まだ低調と言わざるを得ない。臓器提供できる病院が限られるなど体制が整わないことをはじめ、いくつかの理由があるからだ。そのため、待機年数は長期化の一途をたどっている。

待っている間に病状が悪化し、命を落とす人も少なくない。国内で提供が受けられず海外渡航して臓器移植を受ける場合、手術費や入院費、専用機のチャーター費などを合わせると数億円が必要となる。

なぜ日本では臓器提供・移植医療が進まないのか。今後に向けて何が求められるのか。臓器移植に対する理解が深まり、「助かる命を救えない現状」を打破する一助となる渾身の書。

●目次
第1章 悪化する一方の腎機能、生体腎移植を決心するまで
第2章 母の腎臓を移植、生きる意味を見出す
第3章 脳死心臓移植ルポ――レシピエントとドナー家族の葛藤
第4章 小児心臓移植ルポ――子どもの命に向き合う親の悲壮な覚悟
第5章 移植の現状と課題――識者インタビュー

ALL REVIEWS経由で書籍を購入いただきますと、書評家に書籍購入価格の0.7~5.6%が還元されます。

この本の書評/解説/選評
ページトップへ