『すべては1979年から始まった: 21世紀を方向づけた反逆者たち』(草思社)
水野 和夫
1979 年は、サッチャーが首相に就任、鄧小平が経済改革を開始、ホメイニーがイラン・イスラム共和国を樹立、ヨハネ・パウロ二世が祖国ポーランドを訪問、ソ連の軍事侵攻によってアフガン紛争が始まった年である。本書ではこれらの出来事とその背景が詳細に描かれ、市場と宗教が社会主義に替わって社会を再び動かし始めた1979年が歴史の転換点であり21 世紀の命運を決めたと論じる。一見、無関係に見えるそれぞれが、実は「社会主義」が大きな影響力を持った60 年代にピリオドを打つ点で共通していたことが浮き彫りになり、現代史に深く切り込んでみせるドキュメンタリー映画のような作品。
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