※方長老上京日史・飲冰行記 ・・・「ほうちょうろうじょうきょうにっし・いんぴょうこう」と読みます。
本書の特色と内容
日本の朝鮮侵略(文禄・慶長の役、壬辰・丁酉倭乱)後の1629(寛永6)年、「日本国王使」として初めて対馬から朝鮮の都漢城へ派遣された日本側使節及び朝鮮側応接官の記録。江戸幕府の公許を得て、他国へ派遣された数少ない「日本国王使」の記録であるばかりか、日本人が朝鮮侵略後に都まで行くことを許された唯一無二の記録として注目される。筆者は日本側の正使規伯玄方と、朝鮮側の応接官鄭弘溟で、これに日本側副使杉村采女の家人による「御上亰之時毎日記」(『近世日朝交流史料叢書㈽』収録予定)を併せ読むことで、この使節の全体像を双方向から探ることができる画期的な史料集となっている
「歴史研究の深化を支えるのは良質な史料との出会いにある」という編著者の思いから生まれた史料集『近世日朝交流史料叢書』の第2弾。一部分だけ切り取られ、研究者の実証に使われるためだけではなく、記録者の思考過程をたどれる形で史料を世に出したい、またあるいは分野の異なる多くの研究者や読書人が読めるように工夫を凝らしたいという願いから、古文書の全文を校訂し、その読み下し文に詳細な註を付した「読んで分かる史料集」。
【収録史料】
◆和訳・読み下し(註執筆)
田代和生/米谷均/金文京/吉田光男〈執筆順〉
◆解説:米谷均/吉田光男
それぞれ漢文原本の印影版と、読み下し文に和訳・註を付し、それぞれの史料内容、ならびに歴史的背景に関する詳細な解説を付す。
㈰「方長老上京日史」規伯玄方著
(寛永6(1629)年/東京国立博物館所蔵『善隣通書』より)
㈪「飲冰行記」鄭弘溟著
(仁祖7(1629)年/韓国歌辞文学館寄託) その他の書店
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