彰義隊、敗れて末のたいこもち: 明治の名物幇間、松廼家露八の生涯 / 目時 美穂
彰義隊、敗れて末のたいこもち: 明治の名物幇間、松廼家露八の生涯
  • 著者:目時 美穂
  • 出版社:文学通信
  • 装丁:単行本(376ページ)
  • 発売日:2023-11-10
  • ISBN-10:4867660205
  • ISBN-13:978-4867660201
内容紹介:
武士から男芸者に転身――。いかなる架空の物語より、ずっと波乱万丈に富んだ松廼家露八(まつのやろはち)の生涯を追う。その数奇な人生のせいか、露八は小説に仕立てたくなる欲望を搔き立て… もっと読む
武士から男芸者に転身――。いかなる架空の物語より、ずっと波乱万丈に富んだ松廼家露八(まつのやろはち)の生涯を追う。

その数奇な人生のせいか、露八は小説に仕立てたくなる欲望を搔き立てるらしい。
岡本綺堂は『東京の昔話』という芝居台本を作り歌舞伎になった。戸川残花は「露八」という小説を書いた。子母沢寛の「蝦夷物語」にも、山田風太郎の『幻燈辻馬車』にも登場する。村松梢風も、江崎惇も、遠藤幸威も小説にした。吉川英治は小説『松のや露八』を書き、それは前進座により上演された。平岩弓枝が脚本・演出を担当し森繁劇団により舞台にもなった。1990年には露八役を植木等が演じた。近年では、阿井渉介による『慶喜暗殺 ― 太鼓持ち刺客・松廼家露八』(徳間書店、2022年)が出た。

そこで描かれた露八は、本当の姿だったのだろうか。

伊藤痴遊は吉川英治の小説を読み「幇間としての露八のみを知つて居て、露八の真骨頂は、解し得なかつたらしく、従て、露八の本態は、捉へ得なかつたのを、甚だ遺憾に思ふ」とした。

幇間として生きながら、戦死した戦友たちの追悼に生涯心をくばり、死後は戦友たちの墓のある円通寺に亡骸をうずめることを望んだ、旧幕臣の内面を探る旅。初めての松廼家露八・本格評伝誕生!

【露八の生きざまには、たとえ敗者となっても、人間は誇りをもって自由に生きることができるのだという、したたかな力がある。それは、敗者の立場に追いやられても、敗北に沈んだみじめな生涯を送る必要も、ただ敗北を挽回するためだけの、劣等感に汚れた望まない労苦に人生を蕩尽する必要もないことを教えてくれるのだ。】「序 ふたつの魂」より

※装幀画 平岡伸三

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