『日本習合論』(ミシマ社)
橋爪 大三郎
もっとも日本人の創造性が発揮される。
どうして神仏習合という
雑種文化は消えたのか?
組織、民主主義、宗教、働き方…
その問題点と可能性を「習合」的に看破した、
傑作書き下ろし。
壮大な知の扉を、
さあ開こう。
「話を簡単にするのを止めましょう」。それがこの本を通じて僕が提言したいことです。もちろん、そんなことを言う人はあまり(ぜんぜん)いません。これはすごく「変な話」です。だから、多くの人は「そんな変な話は聴いたことがない」と思うはずです。でも、それでドアを閉じるのではなく、「話は複雑にするほうが知性の開発に資するところが多い」という僕の命題については、とりあえず真偽の判定をペンディングしていただけないでしょうか。だって、別に今すぐ正否の結論を出してくれと言っているわけじゃないんですから。「というような変なことを言っている人がいる」という情報だけを頭の中のデスクトップに転がしておいていただければいいんです。それ自体すでに「話を複雑にする」ことのみごとな実践となるのですから。――あとがきより
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