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『フリッカー、あるいは映画の魔〈上〉』(文藝春秋)豊崎 由美
DNA研究が進展し、生物学に「人間」が登場した1970年代、新しい分野「生命科学」に飛び込んだ中村桂子。そこでも科学と日常との断絶、環境問題に悩んだが、DNAの総体「ゲノム」概念を手がかりに、ついに全生物を捉える新しい知「生命誌」を創出。「科学」をやさしく語り、アートとして表現し、そして全ての生命を守る未来像を具体的に構想しうる、その稀有な思想はどうして生まれたか?
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