永江 朗「2024年 この3冊」毎日新聞|鷲田清一『所有論』(講談社)、水村美苗『大使とその妻』上・下巻(新潮社) 、円城塔『コード・ブッダ 機械仏教史縁起 』(文藝春秋)
永江 朗
世界がパンデミックに覆われた2020年、翻訳者のケヴィンは、軽井沢追分の小さな山荘から、人けのない隣家を見やっていた。京都の宮大工の手になるその日本家屋は、親しい隣人だった元外交官夫妻の住まいだった。しかし前年、二人は行方も告げずに姿を消してしまっていた。能を舞い、嫋やかに着物を着こなす、古風で典雅な夫人・貴子。夫妻から聞かされた彼女の数奇な半生を、ケヴィンは、日本語で書き残そうと決意する。失われた「日本」への切ない思慕が溢れる傑作長篇小説。
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