『枕草子の楽しみかた』(祥伝社)
林 望
こんなに現代人の気持ちを代弁してくれるなんて、
清少納言はエスパーかなにかなんだろうか。
「美麗で美声なお坊さんに、ついうっとり」って、
コンサートに行ってアイドルのきらめきに圧倒される我々と同じである。
十五の講義で徹底解説
『枕草子』全三百十九段から読みどころを精選。清少納言の鮮やかな筆が、『源氏物語』全五十四帖の現代語訳『謹訳 源氏物語』の著者林望の解説と現代語訳で甦る。「今どきの親は……」と嘆く場面もあれば、男女の恋心の機微や、宮廷サロンの雅な情景、はたまた男の不条理さを責め立てたり、男に騙される若い女房たちに苦言を呈したり、抱腹絶倒の笑い話もあり。学校では教わらない古典随筆の名著の本質に触れられる絶好の入門書。著者の古典の知識と人間への深い洞察による解説は必読。本書一冊で、『枕草子』の世界が語れるようになる。
(以下、目次より)
・清少納言ほど口の悪い人はいない?
・「暁の別れ」は未練たっぷりでいてほしい
・庭の草木を目の前で盗まれて
・男ってものは、つくづく油断ならない
・お坊さんは美男が良いに決まってる
・齊信の口説き文句
・今どきの母親ときたら
・『古事談』の不思議な話
・老後の理想の住まい
・色好みの男の「戦略」
・中宮定子の優しい心づかい
・関白家の御曹司、伊周
・夢のような宮廷サロン……ほか
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