本書は、アメリカの社会学者がさまざまな企業・業界の実態調査に基づき、常識への反論を試みる書である。給料を決定する4つの要因(「権力」「慣性」「模倣」「公平性」)を手がかりに広く信じられている誤解を解き、給料を上げるための方策と真に公平な賃金制度への道筋を示す。コロナ危機を踏まえた「エピローグ」を収録。
【目次】
パート1 給与についての疑問
第1章 何が給与を決めるのか?
権力、慣性、模倣、公平性
第2章 私たちは何が給与を決めると思っているのか
学者の見方 学者によるそのほかの見方 働く人の見方 給与設定者の見方
パート2 成果主義は正しいのか
第3章 自由市場に背く雇用主
秘密を守る (不)完全な競争 組織化される模倣 集中の力
第4章 成果の測定の問題と能力主義の落とし穴
定義の議論 不完全な測定 成果主義による給与制度の落とし穴 有言不実行
第5章 ボスのボス
神話のはじまり みんなでぼろもうけ 株主があなたの給与を奪うとき
パート3 その仕事だからその給与なのか
第6章 良い仕事が悪い仕事になるとき
去りはしたが、忘れてはいない 国内回帰 新しいデトロイト 労働組合の減少 派遣労働者 トラック運転手 建設労働者
第7章 悪い仕事は良い仕事になる
節約の先にあるのは豊かな暮らし? アンハッピーセット 危険の代償は? ジャングルにようこそ(おかえりなさい) ケアする人がケアされない
パート4 公平な賃金を目指して
第8章 格差を再考する
技能偏向的技術進歩 職業による格差? 組織の変化と格差の拡大 新たな「金ぴか時代」における権力
第9章 公平な賃金を目指して
下限を引き上げよう! ミドルクラスを増やそう! 天井を下げよう!
エピローグ 歩兵にふさわしいもの
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