ハチは心をもっている――1匹が秘める驚異の知性、そして意識 / ラース・チットカ
ハチは心をもっている――1匹が秘める驚異の知性、そして意識
  • 著者:ラース・チットカ
  • 翻訳:今西 康子
  • 出版社:みすず書房
  • 装丁:単行本(352ページ)
  • 発売日:2025-02-19
  • ISBN-10:4622097672
  • ISBN-13:978-4622097679
内容紹介:
ハチは「群知能」だけでなく、1匹1匹も高度に進化した心をもっていた! ハナバチの認知研究の権威である著者が、1匹の内にある驚くべき精神生活を説き明かす。もちろん、ハチの心は人間の心と… もっと読む
ハチは「群知能」だけでなく、1匹1匹も高度に進化した心をもっていた! ハナバチの認知研究の権威である著者が、1匹の内にある驚くべき精神生活を説き明かす。
もちろん、ハチの心は人間の心とはまったく異なる。しかしハチの心が「原始的」だと思ったら大間違い。本書の読者はまず、ハチの賢さに驚嘆するだろう。どんな課題もたちどころに学習し、瞬時に効率のよい判断を下して問題解決する。数を数え、道具を使い、ほかのハチやほかの動物から問題解決の方法を盗みさえする、等々……。この速くて柔軟な心は、採餌や帰巣の必要、ハチの形態やサイズなどに適う方向へ、進化の手が精巧に磨き上げてきたものだ。
ファーブル、カール・フォン・フリッシュ、マルティン・リンダウアー、そしてもちろん著者自身も含め、数多の研究者たちがアイデアを凝らした巧妙な実験によって、その「異なる心」の解明に挑んできた。ハチの内面を探る実験のおもしろさも本書の大きな読みどころの一つだ。
著者はハチの個体が「パーソナリティ」をもち、「自他」を区別し、内的表象を形成し、苦痛や情動を経験するといった心的機能も探っている。本書を読む前と後で、ハチはもちろん、すべての昆虫への見方が変わらずにはいられない。

目次
1 はじめに
2 不思議な色で世界を見ている
3 ハチの異質な感覚世界
4 「単なる本能」なのか?
5 ハチの知能とコミュニケーションの起源
6 空間についての学習
7 花についての学習
8 社会的学習と「群知能」
9 そのすべてを背後で支えている脳
10 ハチの「パーソナリティ」の個体差
11 ハチに意識はあるか?
12 終わりに―ハチの心に関する知識はハチの保全にどんな意味をもつか

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