どのように利用してきたのだろうか。
発見、発明、発展、そして立ちはだかる難題…。
エネルギーの変遷をめぐる「人間」たちの物語。
『原子爆弾の誕生』のピュリッツァー賞作家最新作。
かつて暖房と調理を支えた薪は石炭にその座を奪われ、石炭は石油に、そしていま、石炭・石油は天然ガス、原子力、再生可能エネルギーに取って代わられつつある。
それらの資源を利用する動力源も次々に発明された。蒸気機関、内燃機関、発電機。そして蒸気車、蒸気機関車、自動車、電車。その裏にはそれぞれを生み出し、試行錯誤し、応用し普及させた有名無名の人物の存在があった。
またエネルギー利用の普及は人びとの生活の質を上げ経済を活性化する一方で、新たな災厄や難題をももたらした。エネルギーによる利便とそれが生み出す害との狭間で、人びとは解答を求めて苦闘しつづけてきた。
そしていま、地球規模の気候変動のもと、増加しつづける巨大な人口を支えるエネルギー需要をどうすべきか。かつてない難題への答えは、過去の軌跡を詳細に検証することで見出せるのではないか――。
本書は、現在までの約400年にわたるエネルギー変遷史を「人間」の物語としてまとめあげた、ピュリッツァー賞作家による労作である。
<本書内容より>
第1部 動力
薪/石炭/大気圧蒸気機関/高圧蒸気機関/セイヴァリ/ニューコメン/ワットの蒸気機関/
スティーブンソンの蒸気機関車
第2部 照明
石炭ガス/ガス灯/鯨油・鯨蠟/テレピン油/ケロシン/石油/ライデン瓶/動物電気/電堆/電磁誘導/発電機/直流・交流/水力発電/長距離送電システム
第3部 新しき火
原子炉/原子爆弾/ウラン235/プルトニウム/大気汚染/光化学スモッグ/環境保護運動/風力・太陽光発電/原子力発電/福島・スリーマイル・チェルノブイリ/放射性廃棄物/脱炭素化
おもな登場人物
ウィリアム・シェイクスピア/トーマス・ニューコメン/ジェームズ・ワット/ジョージ・スティーブンソン/ハーゲン¬=スミット/ベンジャミン・フランクリン/アレッサンドロ・ボルタ/マイケル・ファラデー/トーマス・エジソン/ジョージ・ウェスティングハウス/ハイラム・マキシム/エンリコ・フェルミ/ドワイト・アイゼンハワー/レイチェル・カーソン
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