『天使の記憶』(新潮社)
豊崎 由美
若手天才フルート奏者ラファエルのもとに現れた、メイド志望のドイツ娘サフィー。二人はほどなく結婚するものの、息子が生まれてもなおサフィーはラ…
書評
「週刊新潮」「中日新聞」「DIME」などで書評を連載。著書は『そんなに読んで、どうするの?』『どれだけ読めば、気がすむの?』(以上アスペクト)、『文学賞メッタ斬り』『百年の誤読』(以上、共著、ちくま文庫)、『勝てる読書』(河出書房新書)、『読まずに小説書けますか』(共著、メディアファクトリー)、『石原慎太郎を読んでみた』(共著、原書房)など多数。近著に『「騎士団長殺し」メッタ斬り!』(河出書房新社)がある。
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