
1961年生まれ。ライター、ブックレビュアー。「週刊新潮」「中日新聞」「DIME」などで書評を連載。著書は『そんなに読んで、どうするの?』『どれだけ読めば、気がすむの?』(以上アスペクト)、『文学賞メッタ斬り』『百年の誤読』(以上、共著、ちくま文庫)、『勝てる読書』(河出書房新書)、『読まずに小説書けます…もっと読む
- 『そんなに読んで、どうするの? --縦横無尽のブックガイド』(アスペクト)豊崎 由美
「そんなに読んで、どうするの?」電車に乗った後で読むものを持っていないことに気づくとにわかに不安になる――その程度の活字中毒者なら、これまで…
後書き - 『女のいえに男がひとり』(同学社)豊崎 由美
これは「寝てしまえばこっちのもんだ」的言説で女を扱ってきた男が手痛いしっぺ返しをくらう小説だから、その手のマッチョ幻想にしがみついていたい…
書評 - 『アイ・ラヴ・ディック』(新潮社)豊崎 由美
聖バレンタインデー。でも、一体どれだけの女性が告白に成功するんだろう。「好きっ」「ボクもっ」――自分の来し方を振り返ってみても、愛の熱量が同…
書評 - 『シティ』(白水社)豊崎 由美
生まれてから一度も船を下りなかった天才ピアニスト。映画化されたアレッサンドロ・バリッコ『海の上のピアニスト』(白水社)の主人公が、たった一…
書評 - 『ドン・リゴベルトの手帖』(中央公論新社)豊崎 由美
妻を亡くした資産家リゴベルトの後添えに入ったルクレシアが、年端もいかない義理の息子アルフォンソと肉体関係を持ってしまう。ラテンアメリカを代…
書評 - 『木漏れ日の少女』(早川書房)豊崎 由美
時は一九七二年、場所はアラバマ州のタスカルーサ。父親が院長を務める南部最大の精神病院で敷地管理主任をしている、大学を卒業したばかりのビリー…
書評 - 『騎手マテオの最後の騎乗』(集英社)豊崎 由美
九十三年ジャパンカップ。アメリカ版・武豊とでも呼びたい天才騎手デザーモは、ゴール百メートル手前で腰を上げてしまった。ゴール板の位置を間違え…
書評 - 『ユリシーズの涙』(みすず書房)豊崎 由美
犬を扱った傑作小説は数多い。その中から一冊だけ選べだなんて、ケモノバカ一代を自認するわたしには、胸が痛んで土台無理。せめて十ページくれんか…
書評 - 『聖女チェレステ団の悪童』(集英社)豊崎 由美
孤児を主人公にした文学作品は数多い。ということは、読者は孤児の話が好きなのだ。なぜか。ひとつには大抵の人は主人公が成長する小説(ビルドゥン…
書評 - 『散文売りの少女』(白水社)豊崎 由美
世界一ラブリィなミステリーといえば、ダニエル・ペナックのマロセーヌ・シリーズで決まり! 読めば誰だって、マロセーヌ兄弟姉妹を好きにならずにい…
書評 - 『グルーム』(文藝春秋)豊崎 由美
美術教師の資格を持ちながら、荒れた学校で生徒からいじめに遭って登校拒否。母親と二人きりで暮らす一軒家で、ごっこ遊びに耽るひきこもり青年の心…
書評 - 『九年目の魔法』(東京創元社)豊崎 由美
十二歳の少年が「南の島に行く」という書き置きを残して、アンパンとジャムパンを積んだ小舟で海へと漕ぎ出していった――。地方新聞でその記事を目に…
書評 - 『あのころ、私たちはおとなだった』(文藝春秋)豊崎 由美
アン・タイラーくらい女性が読んで共感できる作家も珍しい。彼女が繰り返し描くのは、大家族の中で日々夫や子供の世話に追いまくられる女性の疲労感…
書評 - 『フィンバーズ・ホテル』(東京創元社)豊崎 由美
パリのとあるアパルトマンに住む住民を中心に、約一五〇〇名もの人物を登場させる奇想天外にして、空前絶後のポストモダニスティックな人間喜劇百物…
書評 - 『コレクター蒐集』(東京創元社)豊崎 由美
自分の耳垢、ミニカー、スーパーボール、石、ちびた鉛筆等々。これまでにわたしが集めてきたささやかな物たち。誰もがそんなリストを持っているに違…
書評 - 『ナポレオンの死』(東京創元社)豊崎 由美
大手書店をのぞくと、当たり前の話なんだけれど本が山とある。そんな中から、どうやって「わたしの一冊」を見つけ出したらいいのか。ベストセラーは…
書評 - 『エブリシング・イズ・イルミネイテッド』(ソニー・ミュージックソリューションズ)豊崎 由美
たまげた。ジョナサン・サフラン・フォアがこの処女作を書いたのが二〇〇〇年、弱冠二十三歳の時だとは……。だって、生まれてたった二十三年しかたっ…
書評 - 『ワイルド・ミートとブリー・バーガー』(東京創元社)豊崎 由美
主人公は白人(ハオレ)になりたいと夢みている男の子みたいな日系ハワイ人少女ラヴィ。標準英語がうまく話せなくて教師からは叱られ、家が貧乏だか…
書評 - 『胸にこたえる真実』(白水社)豊崎 由美
映像の向こう側にいるスターや、その作品にしか接することのできない芸術家が、プライヴェートをどう過ごし、何を好み、誰を愛し、どんな生き方をし…
書評 - 『至福のとき: 莫言中短編集』(平凡社)豊崎 由美
莫言。「○○のガルシア=マルケス」なんて言い方、飽き飽きなさっておられましょう? しかし、莫言に関しては嘘偽りなし、と申しますか、紹介が英米に…
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