1961年生まれ。ライター、ブックレビュアー。「週刊新潮」「中日新聞」「DIME」などで書評を連載。著書は『そんなに読んで、どうするの?』『どれだけ読めば、気がすむの?』(以上アスペクト)、『文学賞メッタ斬り』『百年の誤読』(以上、共著、ちくま文庫)、『勝てる読書』(河出書房新書)、『読まずに小説書けます…もっと読む
- 『アニルの亡霊』(新潮社)豊崎 由美
九四年、マイケル・オンダーチェの初めての翻訳小説『ビリー・ザ・キッド全仕事』を開いた時の興奮は今も熱く思い出すことができる。カッコイイ! 実…
書評 - 『世界のすべての七月』(文藝春秋)豊崎 由美
仕事柄「どんな海外文学作品を読めばいい?」という質問を受けることがよくあります。そんな時、わたしは訳者買いを薦めることにしているのです。と…
書評 - 『「競争相手は馬鹿ばかり」の世界へようこそ』(講談社)豊崎 由美
昨年暮れ、初対面の某有名批評家に「あなたは色んな雑誌で書評を書いてるけどさ、今の日本に紹介に値するようないい小説があると思ってるわけ?」と…
書評 - 『グロテスク 上』(文藝春秋)豊崎 由美
作家・桐野夏生の人間洞察力の凄みを、過剰なまでに味わわせてくれるのが話題の最新刊『グロテスク』だ(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆年は2003年…
書評 - 『逆さまゲーム』(白水社)豊崎 由美
〈インドで失踪する人はたくさんいます。インドはそのためにあるような国です〉アントニオ・タブッキの『インド夜想曲』(白水uブックス)でこの文章…
書評 - 『乱視読者の帰還』(みすず書房)豊崎 由美
九五年、博覧強記狂気狂喜乱舞の知の巨人、高山宏師の厚さ五センチを超える書評集が自由国民社から刊行された。これがいかに驚愕の書であるかは現物…
書評 - 『本格小説』(新潮社)豊崎 由美
一九六〇年代、「1ドルが360円、日本のGNPがアメリカの6分の1という時代」に、作家本人を思わせる少女〈私〉が体験するアメリカでの豊かな生活。彼の…
書評 - 『男女という制度』(岩波書店)豊崎 由美
子供の頃、お転婆だったわたしの遊び相手はもっぱら男子。でもって、自分のことを「あたし」って言うたび内心「ゲェーッ」とか思ってた。中学に上が…
書評 - 『ペンギンの憂鬱』(新潮社)豊崎 由美
主人公は動物園からペンギンを引き取り、ミーシャという名をつけて飼っている売れない作家のヴィクトルです。でも、一羽だけコロニーから離されたミ…
書評 - 『コーネルの箱』(文藝春秋)豊崎 由美
金井美恵子の最新エッセイ集『「競争相手は馬鹿ばかり」の世界へようこそ』を読んでいたら、映像作家ダニエル・シュミットの世界を、ジョゼフ・コー…
書評 - 『どうで死ぬ身の一踊り』(KADOKAWA)豊崎 由美
いやいやいやいやっ、かなり面白い人材ですよ、第一三四回芥川賞候補になった西村賢太は。「けがれなき酒のへど」が二〇〇四年下半期同人雑誌優秀作…
書評 - 『小沼丹 小さな手袋/珈琲挽き 大人の本棚』(みすず書房)豊崎 由美
「玄関で風呂をたいている」と聞き、風呂桶を置いているだけのことなのに「君とこの玄関は随分たてつけがいいんだね」、たたきに水を張って湯を沸か…
書評 - 『サバイバー』(早川書房)豊崎 由美
作家の役割について考える時、あるエッセイで読んだエピソードを忘れることができない。それは炭坑のカナリア。かつて炭坑夫はカナリアを連れて坑に…
書評 - 『一人の男が飛行機から飛び降りる』(新潮社)豊崎 由美
ちょっとヘンな夢をみてしまうことはしばしばある。僭越ながら、わたしの例を挙げると――。真っ白な診察室にいる。やがて、看護婦を伴った医者が登場…
書評 - 『航路』(早川書房)豊崎 由美
心停止後に蘇生した人間の約六割が共通して訴える特異な体験、臨死体験(NDE)。暗いトンネルや光、三途の川、花畑、優しく出迎えてくれる死んだはず…
書評 - 『本についての詩集』(みすず書房)豊崎 由美
詩人は言葉について深い想いを巡らせている人たちだから、長田弘さんから「本を読もう。/もっと本を読もう。/もっともっと本を読もう」なんて言わ…
書評 - 『蹴りたい背中』(河出書房新社)豊崎 由美
青臭い。なのに、独善的じゃない。描かれているのは高校生の世界。なのに、ハイティーンだけでなく、それこそリストラ世代の胸にも届く言葉に溢れて…
書評 - 『燃えるスカートの少女』(KADOKAWA)豊崎 由美
エイミー・ベンダーの処女短篇集『燃えるスカートの少女』に収められた十六篇、そのどれもが、のっけから読み手のハートを鷲づかみにするストレート…
書評 - 『世界の果ての庭』(東京創元社)豊崎 由美
英国式庭園を愛する女性作家の話(A)、どんどん若返る奇病にかかった母親を持つ女子高生の話(B)、女性作家の恋人のアメリカ人が研究テーマにして…
書評 - 『犬は勘定に入れません 上―あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』(早川書房)豊崎 由美
コニー・ウィリスって作家をご存じ? 知らなかったら、かなりのおバカさん。無知蒙昧な文盲さん。SF作家ですの。しかも、凄く位が高いお方ですの。で…
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