1961年生まれ。ライター、ブックレビュアー。「週刊新潮」「中日新聞」「DIME」などで書評を連載。著書は『そんなに読んで、どうするの?』『どれだけ読めば、気がすむの?』(以上アスペクト)、『文学賞メッタ斬り』『百年の誤読』(以上、共著、ちくま文庫)、『勝てる読書』(河出書房新書)、『読まずに小説書けます…もっと読む
- 『読むのが怖い! 2000年代のエンタメ本200冊徹底ガイド』(ロッキング・オン)豊崎 由美
大森望はわたしの言い間違えを常に正してやまない。「トヨザキさん、如才ないは“にょさいない”じゃなくて“じょさいない”だから。突如は“とつじょ”で…
書評 - 『形見函と王妃の時計』(東京創元社)豊崎 由美
一九八三年、〈わたし〉は奇妙な骨董品と出会う。それは函を組み立てた当人の個人史における決定的な瞬間や、運命を変えた出来事にまつわるものを収…
書評 - 『パリの廃墟』(みすず書房)豊崎 由美
冬、六時頃、たいてい私は通りを左手にくだって公園を抜けていくのだが、椅子や小さな茂みに足を取られてしまうのは、愛のごとく理解しがたい空が近…
書評 - 『遠い町から来た話』(河出書房新社)豊崎 由美
二〇〇〇年秋、河出書房新社は柴田元幸とタッグを組んで、エドワード・ゴーリーという蠱惑的な絵物語作家を日本の読者に紹介してくれた。あれから十…
書評 - 『コレクションズ』(早川書房)豊崎 由美
七十年代、閉ざされたドアを見るたび、その向こうで自分の不利になるようなことが起こっているのではないかと怯える男を主人公にした、ジョゼフ・ヘ…
書評 - 『龍宮』(文藝春秋)豊崎 由美
くっきりはっきり輪郭つけたがる人ってつまらないなあと思う。「男だから」「女だから」「年寄りだから」「金持ちだから」「チビだから」「A型だから…
書評 - 『黄色い雨』(河出書房新社)豊崎 由美
日本の現代文学から世界文学、エンターテインメント全般まで面白ければ何でも読む自分は、相当な雑読系(ⓒ坪内祐三)だと思っているわけですが、ソニ…
書評 - 『壜の中の手記』(角川書店)豊崎 由美
毎年、数えきれないほどの小説が生まれている。そして、数えきれないほどの作品が絶版の憂き目にあい、大勢の作家が忘れ去られてゆく。出版社の倉庫…
書評 - 『灰色の輝ける贈り物』(新潮社)豊崎 由美
六人の子供がいる貧しい一家。父親は冬になると出稼ぎに行く。困窮の中、妻は夫にきっぱりと言い渡す。「馬を売らないとね」。役に立たない老馬を置…
書評 - 『アニルの亡霊』(新潮社)豊崎 由美
九四年、マイケル・オンダーチェの初めての翻訳小説『ビリー・ザ・キッド全仕事』を開いた時の興奮は今も熱く思い出すことができる。カッコイイ! 実…
書評 - 『世界のすべての七月』(文藝春秋)豊崎 由美
仕事柄「どんな海外文学作品を読めばいい?」という質問を受けることがよくあります。そんな時、わたしは訳者買いを薦めることにしているのです。と…
書評 - 『「競争相手は馬鹿ばかり」の世界へようこそ』(講談社)豊崎 由美
昨年暮れ、初対面の某有名批評家に「あなたは色んな雑誌で書評を書いてるけどさ、今の日本に紹介に値するようないい小説があると思ってるわけ?」と…
書評 - 『グロテスク 上』(文藝春秋)豊崎 由美
作家・桐野夏生の人間洞察力の凄みを、過剰なまでに味わわせてくれるのが話題の最新刊『グロテスク』だ(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆年は2003年…
書評 - 『逆さまゲーム』(白水社)豊崎 由美
〈インドで失踪する人はたくさんいます。インドはそのためにあるような国です〉アントニオ・タブッキの『インド夜想曲』(白水uブックス)でこの文章…
書評 - 『乱視読者の帰還』(みすず書房)豊崎 由美
九五年、博覧強記狂気狂喜乱舞の知の巨人、高山宏師の厚さ五センチを超える書評集が自由国民社から刊行された。これがいかに驚愕の書であるかは現物…
書評 - 『本格小説』(新潮社)豊崎 由美
一九六〇年代、「1ドルが360円、日本のGNPがアメリカの6分の1という時代」に、作家本人を思わせる少女〈私〉が体験するアメリカでの豊かな生活。彼の…
書評 - 『男女という制度』(岩波書店)豊崎 由美
子供の頃、お転婆だったわたしの遊び相手はもっぱら男子。でもって、自分のことを「あたし」って言うたび内心「ゲェーッ」とか思ってた。中学に上が…
書評 - 『ペンギンの憂鬱』(新潮社)豊崎 由美
主人公は動物園からペンギンを引き取り、ミーシャという名をつけて飼っている売れない作家のヴィクトルです。でも、一羽だけコロニーから離されたミ…
書評 - 『コーネルの箱』(文藝春秋)豊崎 由美
金井美恵子の最新エッセイ集『「競争相手は馬鹿ばかり」の世界へようこそ』を読んでいたら、映像作家ダニエル・シュミットの世界を、ジョゼフ・コー…
書評 - 『どうで死ぬ身の一踊り』(KADOKAWA)豊崎 由美
いやいやいやいやっ、かなり面白い人材ですよ、第一三四回芥川賞候補になった西村賢太は。「けがれなき酒のへど」が二〇〇四年下半期同人雑誌優秀作…
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