1961年生まれ。ライター、ブックレビュアー。「週刊新潮」「中日新聞」「DIME」などで書評を連載。著書は『そんなに読んで、どうするの?』『どれだけ読めば、気がすむの?』(以上アスペクト)、『文学賞メッタ斬り』『百年の誤読』(以上、共著、ちくま文庫)、『勝てる読書』(河出書房新書)、『読まずに小説書けます…もっと読む
- 『神秘の短剣〈上〉 ライラの冒険II』(新潮社)豊崎 由美
ライラ・シルバータン。わたしたちの世界と似てはいても、多くの点で異なる世界にいる少女。相棒はダイモン(守護精霊)のパンタライモン、通称パン…
書評 - 『ホワイト・ティース』(新潮社)豊崎 由美
わたしもテレビ朝日で放映されてる「ほんパラ!関口堂書店」の店員になってみたい。近頃訳出あいなった『ナボコフ短篇全集Ⅰ・Ⅱ』(作品社)を取り上…
書評 - 『アルヴァとイルヴァ』(文藝春秋)豊崎 由美
就職がなかなか決まらない男子学生を追うドキュメンタリー番組を見た。悩んだ末に就職斡旋会社の面接を受け、「もっと笑顔で!」「はきはきしなきゃ…
書評 - 『望楼館追想』(文藝春秋)豊崎 由美
奇人変人が好きだ。彼らは、慣習という囲いに風穴をあけてくれる。今・此処(ここ)とは違うシステムで成立している世界、その存在の可能性を垣間見…
書評 - 『トランス=アトランティック』(国書刊行会)豊崎 由美
物真似がうまい、やたらやかましいタレントがいるじゃないですか。柳沢慎吾。たとえば、あの人になってみるわけです。柳沢慎吾の落ち着きのない目で…
書評 - 『空中の茱萸』(思潮社)豊崎 由美
詩は一体、どこで、何をしているのか。たとえば、道行く人に「あなたが今日見かけた詩は一体、どこで、何をしていましたか?」と訊ねてみる。……無理…
書評 - 『インフォーマーズ』(角川書店)豊崎 由美
人間は時代の産物である。「いまどきの若モンは……」的発言はいつの世も絶えないけれど、感受性が強く自我が固まりきっていない若モンだからこそ、“い…
書評 - 『世界文学のフロンティア〈3〉夢のかけら』(岩波書店)豊崎 由美
最近の岩波はえらい。中国のガルシア=マルケスとの呼び声も高い莫言の大々々々々傑作『酒国』(未読の方、走れ本屋へ!)を訳してくれたうえ、有名作…
書評 - 『ソーネチカ』(新潮社)豊崎 由美
この小説の魅力を伝えるのは、ひどく難しい。ストーリー自体がこみいっているわけでもないし、難解な思想が語られているわけでもない。むしろその逆…
書評 - 『この不思議な地球で―世紀末SF傑作選』(紀伊國屋書店)豊崎 由美
「二十世紀は、SFの世紀だった。それは、SF的未来観によって巨大な科学技術文明を築くとともに、SF的想像力の浸透によって超微細な高度電脳文化を自…
書評 - 『音楽のレッスン』(河出書房新社)豊崎 由美
音楽がテーマだったり、大切な小道具として扱われている小説は多々ある。たとえば、ルイス・シャイナー『グリンプス』(創元SF文庫)。人生に行き詰…
書評 - 『輝く断片』(河出書房新社)豊崎 由美
全国のプレジデントな皆さん、SFお読みになられます? なられませんわねー、んな空想科学小説なんて子供じゃないんだから読みませんわねー――なんて、…
書評 - 『海を失った男』(晶文社)豊崎 由美
シオドア・スタージョンは、SFか幻想文学のファンにしか馴染みのない名かと思われ、しかも邦訳点数が多くないので、馴染みになりたくてもなりにくい…
書評 - 『ヴィーナス・プラスX』(国書刊行会)豊崎 由美
つい三年前までは(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2005年)、傑作短篇集『一角獣・多角獣』はおろか、長篇の『夢みる宝石』だって品切れ状態…
書評 - 『ウェイクフィールド / ウェイクフィールドの妻』(新潮社)豊崎 由美
多くの方にとっては『緋文字』という姦通小説の作者であり、しかし、英文科出身でもない限り、その名作すら読んだことがないという、文学史上に恭(…
書評 - 『奇跡も語る者がいなければ』(新潮社)豊崎 由美
一九九七年のまだ残暑厳しい晩、テレビをつけると世界で一番有名な皇太子妃の荘厳な葬儀の模様が映し出されて、そこにはエルトン・ジョンがいて、そ…
書評 - 『ノリーのおわらない物語』(白水社)豊崎 由美
『綴方教室』(岩波文庫)ってご存じですか?昭和初期の東京下町に暮らすブリキ職人一家の生活を、小学生の豊田正子さんが綴った作文集なんですけど…
書評 - 『突囲表演』(河出書房新社)豊崎 由美
不倫もお国柄や書き手の資質が違えば、まるでその表情を変えてしまうわけで、たとえば一世を風靡した渡辺淳一の『失楽園』と、現代中国文学の巨匠・…
書評 - 『蒲公英草紙 常野物語』(集英社)豊崎 由美
うらやましい。恩田陸『光の帝国』(集英社文庫)をまだ読んでいない人が、うらやましくてならない。遠くの出来事を知る“遠耳”の力、未来を見通す“遠…
書評 - 『カンバセイション・ピース』(河出書房新社)豊崎 由美
自分と家族のみならず、飼っている犬・猫・小鳥まで一枚の絵の中におさめてしまう、一八世紀にイギリス貴族の間ではやったカンバセイション・ピース…
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