
1961年生まれ。ライター、ブックレビュアー。「週刊新潮」「中日新聞」「DIME」などで書評を連載。著書は『そんなに読んで、どうするの?』『どれだけ読めば、気がすむの?』(以上アスペクト)、『文学賞メッタ斬り』『百年の誤読』(以上、共著、ちくま文庫)、『勝てる読書』(河出書房新書)、『読まずに小説書けます…もっと読む
『パラダイス・モーテル』(東京創元社)
豊崎 由美小説に癒しや救いを求める読者は多い。しかし、泣かせたり、感動させたりっていうのは、実は存外簡単なのだ。巷に溢れかえってるベストセラー本を見…
書評
『ベルカ、吠えないのか?』(文藝春秋)
豊崎 由美なんだよー、文藝春秋は。なんで全登場犬の系図をつけないんだよー。そういう一手間をかけるかどうかで売れ行きが変わるっちゅーにさあ。仕方ないか…
書評
『子供たち怒る怒る怒る』(新潮社)
豊崎 由美一九八八年、富岡多惠子が高橋源一郎の『優雅で感傷的な日本野球』に登場する幾つかの単語を挙げた上で、「『親密な』サークルだけに通じる符号性を…
書評
『読んでいない本について堂々と語る方法』(筑摩書房)
豊崎 由美生来の負けず嫌いのため、二十代の頃、先輩たちが話題にしている本をあたかも自分も読んでいるかのように振る舞って冷や汗をかくことがよくありまし…
書評
『エイプリルに恋して』(東京創元社)
豊崎 由美やっぱり自分が一番大切。けど、自分よりも相手を守りたいって気持ちで胸がいっぱいになる一瞬が、たまに訪れたりもする。そう、誰かのことをすごく…
書評
『ウィリアム・ブレイクのバット 新版』(幻戯書房)
豊崎 由美何人もの平出隆がいる。架空の国の切手ばかりを描いた画家の足跡をたどる『葉書でドナルド・エヴァンズに』、自宅に遊びに来る仔猫との淡交を綴った…
書評
『みずうみ』(河出書房新社)
豊崎 由美つながってゆくつながってゆくつながってゆく。いしいしんじの二年ぶりの新作長篇『みずうみ』を読んでいる間、読み終えた今、わたしの中でいろんな…
書評
『この世を離れて』(早川書房)
豊崎 由美コノサカヅキヲ受ケテクレドウゾナミナミツガシテオクレハナニアラシノタトエモアルゾ「サヨナラ」ダケガ人生ダ『山椒魚』で知られる作家・井伏鱒二…
書評
『夜明け前のセレスティーノ』(国書刊行会)
豊崎 由美レイナルド・アレナスといえば、本好きには八十九年に訳された傑作『めくるめく世界』(国書刊行会)によって、映画ファンには昨年公開された『夜に…
書評
『海の仙人』(新潮社)
豊崎 由美『指輪物語』のJ・R・R・トールキンは、ファンタジーには三つの機能があると定義している。慣習で曇ってしまった目を浄化する〈回復〉、幸福な結末が…
書評
『読むのが怖い! 2000年代のエンタメ本200冊徹底ガイド』(ロッキング・オン)
豊崎 由美大森望はわたしの言い間違えを常に正してやまない。「トヨザキさん、如才ないは“にょさいない”じゃなくて“じょさいない”だから。突如は“とつじょ”で…
書評
『形見函と王妃の時計』(東京創元社)
豊崎 由美一九八三年、〈わたし〉は奇妙な骨董品と出会う。それは函を組み立てた当人の個人史における決定的な瞬間や、運命を変えた出来事にまつわるものを収…
書評
『パリの廃墟』(みすず書房)
豊崎 由美冬、六時頃、たいてい私は通りを左手にくだって公園を抜けていくのだが、椅子や小さな茂みに足を取られてしまうのは、愛のごとく理解しがたい空が近…
書評
『遠い町から来た話』(河出書房新社)
豊崎 由美二〇〇〇年秋、河出書房新社は柴田元幸とタッグを組んで、エドワード・ゴーリーという蠱惑的な絵物語作家を日本の読者に紹介してくれた。あれから十…
書評
『コレクションズ』(早川書房)
豊崎 由美七十年代、閉ざされたドアを見るたび、その向こうで自分の不利になるようなことが起こっているのではないかと怯える男を主人公にした、ジョゼフ・ヘ…
書評
『龍宮』(文藝春秋)
豊崎 由美くっきりはっきり輪郭つけたがる人ってつまらないなあと思う。「男だから」「女だから」「年寄りだから」「金持ちだから」「チビだから」「A型だから…
書評
『黄色い雨』(河出書房新社)
豊崎 由美日本の現代文学から世界文学、エンターテインメント全般まで面白ければ何でも読む自分は、相当な雑読系(ⓒ坪内祐三)だと思っているわけですが、ソニ…
書評
『壜の中の手記』(角川書店)
豊崎 由美毎年、数えきれないほどの小説が生まれている。そして、数えきれないほどの作品が絶版の憂き目にあい、大勢の作家が忘れ去られてゆく。出版社の倉庫…
書評
『灰色の輝ける贈り物』(新潮社)
豊崎 由美六人の子供がいる貧しい一家。父親は冬になると出稼ぎに行く。困窮の中、妻は夫にきっぱりと言い渡す。「馬を売らないとね」。役に立たない老馬を置…
書評
『アニルの亡霊』(新潮社)
豊崎 由美九四年、マイケル・オンダーチェの初めての翻訳小説『ビリー・ザ・キッド全仕事』を開いた時の興奮は今も熱く思い出すことができる。カッコイイ! 実…
書評













