書評
中村 桂子「2025年 この3冊」毎日新聞|<1>藤井 一至『土と生命の46億年史』(講談社) <2>トマス・ハートッホ、水谷淳訳『宇宙・時間・生命はどのように始まったのか?』(ニューズピックス) <3>ローラ・トレザウェイ、尼丁千津子訳『深海の地図をつくる』(柏書房)
2025年「この3冊」
<1>藤井 一至『土と生命の46億年史』(講談社)
<2>トマス・ハートッホ、水谷淳訳『宇宙・時間・生命はどのように始まったのか?』(ニューズピックス)
<3>ローラ・トレザウェイ、尼丁 千津子訳『深海の地図をつくる』(柏書房)
今年のテーマは宇宙・地球・生命と決めていた。不安定化する現代社会の見直しには、その視点が不可欠と考えてのことだ。<1>地球に生命体が存在したからこそ生まれた土は、生命体の存続を支える基本であるのに、これまで研究の目が向けられずに来た。身近で、しかも複雑だからだ。やっと解明され始めた土に注目だ。
<2>ホーキング、最後の二〇年間で作られた虫の視点による宇宙論。我が宇宙は「生きものに優しい」という特徴をもつというのだ。私の存在を大事とする宇宙がどのようにして生まれたのか。知らなければならない。
<3>土と同時に重要なのが海。宇宙開発への関心が高いが、今後の生き方を考える時、未知の世界として意識しなければならないのは海、とくに深海である。地球という星、そして私たち自身をよりよく知るためにも。
ALL REVIEWSをフォローする































