戦国大名研究でつとに知られ、2016年NHK大河ドラマ「真田丸」の時代考証も務める歴史学者・黒田基樹氏が、信濃国小県郡の国衆(小領主)に過ぎなかった真田昌幸がいかにして上杉・北条・徳川といった戦国大名たちと渡り合い、大名へとのぼりつめていったのかを、膨大な史料で明らかにしていく、渾身の真田昌幸論。
長兄・次兄の死により家督を継いだ昌幸は、北条氏と熾烈な抗争を繰り広げながら、上杉景勝、徳川家康、羽柴秀吉と次々と主君を乗り換え、最後は豊臣大名へとのしあがる。その陰にあった細かな調略の数々を、著者は丹念に読み解いていく。そこから浮かび上がってくるのは、存続をかけて智略を尽くす、大名と国衆のリアルな姿である。
<著者プロフィール>
黒田基樹(くろだ・もとき) 1965年生まれ。駿河台大学教授。早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業。博士(日本史学)。膨大な史料を博捜し、戦国史の実相を明らかにする研究に精力を注いでいる。2016年大河ドラマ「真田丸」の時代考証を務める。著書に『百姓から見た戦国大名』ほか多数。
【編集担当からのおすすめ情報】
本書は、リアルな戦国の姿──戦国大名の外縁部では国衆たちが昨日の敵は今日の友といった抗争を繰り広げていた──を明らかにすることを、大きな目的としていますが、その中でもっとも目を引くのは、真田昌幸をはじめとする国衆・大名たちの、「頭脳戦」ともいうべき「調略」の数々でしょう。
武田氏、織田氏、上杉氏、北条氏、徳川氏、羽柴氏。昌幸が次々と乗り換えてきた主君たちです。
これぞリアルな戦国時代。膨大な史料に基づく学術書ではありますが、昌幸と北条氏の沼田領をめぐる抗争が、北条氏滅亡にまでつながっていくなど、戦国史の見えない糸をたぐっていくようなおもしろさがつまっています。
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