『真実と修復――暴力被害者にとっての謝罪・補償・再発防止策』(みすず書房)
斎藤 環
回復していく途上、難しい問いがさまざまに浮かび上がってくる。
皆の前でこのことを話せるか?
真実を、周りのひとは受け止めてくれるだろうか?
この傷は治るだろうか?
そのために何を差し出さなくてはならないのか?
どうして加害者と同じコミュニティに所属しつづけないといけないのか?
和解は可能か?
どうやって?
コミュニティはどうすれば現在の、そして将来の被害を防げるのか?
この問いに答えるため、私はもう一度、話を聞くことにした。生き延びたものたちの声である。皆のための、より良い正義を求めることのために本書はある〉
暴力被害者は何を求めているのか。加害者の謝罪やアカウンタビリティはどうあるべきか。補償や再発防止の具体策は、司法のあり方は。トラウマ問題のバイブル『心的外傷と回復』を継ぐ総決算の書。
目 次
イントロダクション
方法論ノート
第一部 権力
第一章 専制による秩序
第二章 平等による秩序
第三章 家父長制
第二部 正義のヴィジョン
第四章 不正を認知すること
第五章 謝罪
第六章 アカウンタビリティ
第三部 治癒
第七章 補償について
第八章 矯正
第九章 予防
終章 史上最長の革命
謝辞
訳語ノート
訳者あとがき
原注
索引
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