ブラックスワンの経営学 通説をくつがえした世界最優秀ケーススタディ / 井上達彦
ブラックスワンの経営学 通説をくつがえした世界最優秀ケーススタディ
  • 著者:井上達彦
  • 出版社:日経BP社
  • 装丁:単行本(280ページ)
  • 発売日:2014-07-19
  • ISBN-10:4822250296
  • ISBN-13:978-4822250294
内容紹介:
ここに、1つの逆説的な事実があります。前述したようにマネジメントの学会では、現在の統計学の大ブームが起こる前から統計学をベースにした研究が主流であり、多くの論文が学術雑誌に掲載さ… もっと読む
ここに、1つの逆説的な事実があります。前述したようにマネジメントの学会では、現在の統計学の大ブームが起こる前から統計学をベースにした研究が主流であり、多くの論文が学術雑誌に掲載されてきました。記憶に残らないような示唆しかもたらさない仮説であっても、それを検証できれば掲載されるという統計調査の方が有利で、掲載比率では、全体の約9割を占めています。つまり事例研究の掲載比率は1割にも満たないのです。量的には存在感が薄いといえるわけです。
しかし、その反面、ベストアーティクルとして学会賞を受賞するような論文となると、事例研究の存在感がぐっと増します。最近の傾向を見ると、米国の学会、アカデミー・オブ・マネジメントが発行する『アカデミー・オブ・マネジメント・ジャーナル』(Academy of Management Journal、通称AMJ)では約50%が事例研究によるものです(2000年代から2013年現在)。マネジメント関連で、権威ある学術雑誌として名高い『アドミニストラティブ・サイエンス・クオータリ』(Administrative Science Quarterly、通称ASQ)では、発行後の5年間の影響力を評価して最優秀論文賞を決定しますが、受賞論文の約70%を事例研究が占めています(2000年以降から現在)。
(中略)

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