- 著者:柳瀬 博一
- 出版社:新潮社
- 装丁:単行本(ソフトカバー)(232ページ)
- 発売日:2020-11-17
- ISBN-10:410353771X
- ISBN-13:978-4103537717
- 内容紹介:
- 賛同の声、続々と!養老孟司「関東に歴史あり。実に腑に落ちる」三浦しをん「ビバ16号線! 今後は『16号線育ちです』と胸を張ります!」首都圏をぐるり、330キロのこの道は、日本史上常に… もっと読む賛同の声、続々と!
養老孟司
「関東に歴史あり。実に腑に落ちる」
三浦しをん
「ビバ16号線! 今後は『16号線育ちです』と胸を張ります!」
首都圏をぐるり、330キロのこの道は、日本史上常に重要な地域であり続けた! 旧石器時代から人が住み、武士集団が駆け、頼朝と家康を呼び寄せた。近代に入ると絹と軍艦で経済を支え、ユーミンはじめ新しい歌がここから生まれた――横須賀、横浜、町田、八王子、川越、柏、木更津、と該当エリアには1100万人が住み、全国一混雑する道でもある。「道」と「地形」で読み解く、なるほど! 痛快文明論。
国道16号線は、東京の郊外をぐるりと巡る全長330キロの環状道路だ。この道の通る「16号線エリア」とも呼ぶべき地域は、日本の歴史においてきわめて重要なところであり続けた。旧石器時代から縄文、弥生、古墳時代と人々が住み続け、畿内に政治の中心があった時代にも、のちの武士階級となる地方豪族たちが群雄割拠していた。源頼朝が制し、太田道灌、後北条、そして徳川家康が江戸をつくるうえで重要拠点としたのもこのエリアだった。明治以降の富国強兵も殖産興業も、この道が支えた。最大の輸出産業となった養蚕と生糸を結ぶ「シルクロード」も、日本と世界をつないだ横浜港も、軍事拠点である横須賀、そしてその後の軍用航空基地も、すべてこの地が舞台なのである。戦後は、横須賀、横浜、福生などが米軍基地に、同時に、アメリカ文化の発信地となり、音楽や映画、ファッション、小説など日本の文化に大きな影響を与え、モータリゼーションと郊外経済の牽引役として、そして東京のベッドタウンとしていまも日本の経済において大きな地位を占めている。なぜ、京都でも奈良でも江戸(中心部)でもなく馬蹄形の「16号線エリア」という地域が、3万年前から日本の社会、経済、文化の形成に大きな役割を果たしてきたのか。なぜ、その事実がこれまでつまびらかにされなかったのか。カギを握るのは「地形」である。ジャレッド・ダイヤモンドが『銃・病原菌・鉄』で人類の歴史の発達を地理学の手法で読み解いたように、「道」と「地形」で「日本」を紐解く学際的ノンフィクションが本書となる。現在の日本の歴史と経済と文化の根源を紐解く、意欲作の登場だ!
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