【オンラインイベント情報】2021年8月13日(金) 20:00~、鹿島 茂『パリのパサージュ 過ぎ去った夢の痕跡』刊行記念講演会「パリを空間と時間で旅する過去未来旅行」開催!

  • 2021/07/14

「ALL REVIEWSのオンラインライブスクール」、第3弾開催!
今回は、鹿島茂『パリのパサージュ 過ぎ去った夢の痕跡』(中央公論)の文庫化に合わせた記念講座。
緊急事態宣言が続きますが、より充実したSTAY HOMEのため、鹿島茂さんと「バーチャル・パリ・ツアー」を楽しみましょう!

※YouTubeでライブ視聴が可能なオンライン講義になります。PC/スマホ/タブレットなどからの視聴が可能です。
※鹿島茂さんのコレクションを映したりもしますので、PCなど大きい画面での視聴をおすすめします。
※ライブ講義当日はYouTubeのチャット上で質疑応答も行います(チャットへの参加はYouTubeへのログインが必要です)。
※終了後には鹿島茂さんとのオンライン懇親会(30分程度・Zoomを使用)を予定しております。
※参加者は動画のアーカイブ視聴が可能、必ずライブで視聴する必要はございません。
※ALL REVIEWS友の会会員は4,500円+税→3,500円+税での参加が可能となります。別途ご案内するURLからチケットをご購入ください。
「ALL REVIEWS 友の会」の詳細/ご入会は https://allreviews.jp/tomonokai

2021年8月13日 (金) 20:00~22:00、鹿島 茂『パリのパサージュ 過ぎ去った夢の痕跡』刊行記念講演会
「パリを空間と時間で旅する過去未来旅行」開催!

パリのパサージュ-過ぎ去った夢の痕跡 / 鹿島 茂
パリのパサージュ-過ぎ去った夢の痕跡
  • 著者:鹿島 茂
  • 出版社:中央公論新社
  • 装丁:文庫(257ページ)
  • 発売日:2021-05-21
  • ISBN-10:4122070651
  • ISBN-13:978-4122070653
内容紹介:
フランス革命直後からパリに陸続と生まれたガラス天井の通り抜けを、「パサージュ」という。オペラ座、パノラマ、グラン・ブールヴァール……街の名所が移るたび、生まれては寂れ、パリ市民の動線を変えてきた。夢と欲望が吹き抜けたパサージュの歴史は、パリ近代化の歴史でもある。現存する19のパサージュを辿る新しいパリガイド。

ALL REVIEWS経由で書籍を購入いただきますと、書評家に書籍購入価格の0.7~5.6%が還元されます。

■日程
2021年8月13日(金)20:00-22:00
※前半(20:00 -20:55)と後半(21:05 -22:00)の間の休憩時間には、鹿島茂さんによる「美味しいコーヒーの淹れ方講座」もございます。

■チケット料金
【配信参加】4500円+税
※ALL REVIEWS友の会会員は3,500円+税

■企画趣旨(鹿島茂)
ALL REVIEWSでは昨年、コロナ禍の第二波の最中に、「ヴェルサイユ宮殿と三代の王」と題した三回連続オンライン講座をYouTubewで放映しました。入手可能な映像やグーグル・マップなどを用いて、さながら私が現地ツアー・コンダクターになったように参加者をヴェルサイユ宮殿に案内するという趣向のプログラムでしたが、幸いなことに好評をもって迎えられました。

早いもので、あれからほぼ一年が経過しますが、コロナ禍は依然として収束せず、パリはおろか国内の旅行にも出られない日々が続いています。しかし、フランスに当分は行けないとなると逆に抑えがたい旅情が湧いてくるのは私だけではないでしょう。

そこで、今回は十三年ぶりに中公文庫で復刊された『パリのパサージュ 過ぎ去った夢の痕跡』を副読本にして、いまだに19箇所パリに点在しているパサージュを巡るヴァーチャル・ツアーを企画してみました。

ちなみに、パサージュとは、日本のアーケード商店街に似た商業施設で、大革命の後、1800年頃から1860年にかけてパリの各所につくられた鉄とガラスからなる建造物です。その後、1850年頃からデパートに押されて衰退が始まり、取り壊されたパサージュも少なくなかったのですが、それでもなんとか19のパサージュが生き延びて今日に至っています。

私はガルシア・マルケスの『百年の孤独』にならって「百五十年の忘却」と呼んでいましたが、20世紀も終わろうとする頃から急に注目を浴びるようになり、一部のマニアのあいだでは密かな巡礼スポットとなっているのです。

しかし、こう書いてもなお、名所旧跡でもないパサージュなどというものを巡るツアーが面白いのかという疑問を抱かれる読者もおられるかもしれません。

そこで、この疑問に対する答えとして、『パリのパサージュ 過ぎ去った夢の痕跡』の序文の一節を引用しておきたいと思います。

パサージュがいま、 注目のスポットとなっている理由、それは過去の華やかな繁栄の記憶をとどめたまま長い時間隧道(タイム・トンネル)の中に入りこみ、そこから突如、現代に姿をあらわしたからである。過去の繁栄の時代、人々はパサージュで、未来へと向かう夢を見ていた。(中略)
パサージュを造った人々、そこで商売を営んだ人々、群れ集った人々は、いずれも、鉄骨とガラスからできた未来的な建物の中で、自分たちは、ユートピアへと向かう進歩の箱舟に乗っていると感じたにちがいない。(中略)
その19世紀の集団的な夢は、二重の意味でわたしたち二十一世紀人の心をうつ。一つは、それが希望に満ちた繁栄と栄華の夢であること。もう一つは、その夢がさして時を経ぬうちに破れたものであること。(中略)
この過去の見た未来を、その未来よりもはるかに遠くに来てしまったわたしたちが振り返るときの不思議な時間の感覚、つまり「過去未来感覚」がパサージュの本質なのである。

そう、パリのパサージュ巡りのツアーとは、過去未来感覚の時間旅行そのものなのです。オンライン講座では、こうした「時代精神(ツァイト・ガイスト)」をもっともよく象徴しているパサージュを解説つきで巡っていきたいと思います。そのさいには、二〇〇八年に初版の『パリのパサージュ 過ぎ去った夢の痕跡』を制作したときに取材ツアーに同行した写真家・鹿島直(私の長男です)が撮り溜めた未公開フォトをふんだんに用いて、書籍とはまた違ったヴァーチャル・ツアーを試みるはずです。

パリを空間と時間で旅する過去未来旅行。御期待ください!


鹿島 茂(仏文学者・元明治大学教授)
フランス文学者。元明治大学教授。専門は19世紀フランス文学。
1949年、横浜市生まれ。1973年東京大学仏文科卒業。1978年同大学大学院人文科学研究科博士課程単位習得満期退学。元明治大学国際日本学部教授。
『職業別パリ風俗』で読売文学賞評論・伝記賞を受賞するなど数多くの受賞歴がある。膨大な古書コレクションを有し、東京都港区に書斎スタジオ「NOEMA images STUDIO」を開設。新刊に『日本が生んだ偉大なる経営イノベーター 小林一三』(中央公論新社)、『フランス史』(講談社)などがある。
https://allreviews.jp/reviewer/8

https://peatix.com/event/1997263/view
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