はじめに
お江戸の一年
1 浅草寺の花祭 春爛漫の隅田川、信仰と遊興と、潅仏会の賑わい、お稚児さんの列、五香水から甘茶へ、虫よけのおまじない、仲見世や奥山では
2 身近な冨士詣 川開きはもともと慰霊祭、富士詣の出立、町なかの山開き、われもわれもと富士塚へ、溶岩あり浅間社あり、いっとき江戸に八百八講、灰を降らせた大噴火も、駒込富士の変わった由来、六月一日は氷の朔日
3 御用祭の夏 納涼の夜店いろいろ、山車が市中を練り歩く、家康様の産土神、町衆の晴れ姿、行列はお城に入れる、将軍様がご上覧、春や秋の祭との違い
4 秋はお月見 米の相場の決まる八月、 向島百花園とスカイツリー、 団子作りは未明から、里芋との深いかかわり、農事から遠ざかっても、郊外に遊ぶ季節、十三夜も欠かさずに、二十六夜待ちのどんちゃん騒ぎ
5 火事と喧嘩が華なのは 十月最初の亥の日、深川に移った材木置き場、瓦屋根と土蔵で守る、長屋はとても燃えやすい、臥煙・加賀鳶・いろは組、持ち場をめぐる争い、家を壊して延焼を止める、宵越しの銭を持たないのは
6 歳末近き酉の市 顔見世の頃、田圃の中の「見栄の場所」、鷲神社で繁盛祈願、熊手の大きさを誇る、福運を「搔きこむ」、 粋にご祝儀、三本締め、縁起物の八つ頭・粟の餅、市の起こり
7 お正月を迎える 十二月八日が「お事はじめ」、松飾は鳶に頼んで、雑煮・福茶・鏡餅、年内に春が来る、初登城の風景
8 初午の稲荷神社へ 伊勢屋と並んで多いもの、地口画を行灯にして、千束稲荷に残る「またぎ」、だじゃれや歌舞伎のもじりなど、笑いとコミュニケーシーン、識字率の支える媚薬、凧絵師の守る伝統
9 寺子屋へ入門 貸本屋は大はやり、六つの年に机持参で、いろはから「源平藤橘」、机の向きも科目もばらばら、折手本をまね反復学習、往来物は用語例文集、道徳から高等数学まで、個別教育から一斉教育へ、 「国民」を育成する近代、明治維新後も存続、「自然の子」と師弟愛
お江戸の一日
一日のはじまり、ごはんの支度、着るもの、化粧、髪をセット、仕事に出よう、家事をするうち昼下がり、井戸とトイレ、お風呂でスキンケア、たまの息抜き、そろそろおやすみ、病のときは
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